SAY SILLY THINGS!

“TEAM H末端構成員”が妄想と現実の狭間で戯れます。

読書

『聖なる怠け者の冒険』森見登美彦 読了!☆☆☆☆

現在も作品を書き続けている現役作家の中でも、作家買いするほど好きな作家はそうそういなくなってきたが、森見登美彦はその中の一人である。 森見登美彦は『文体』の作家だと思っている。 文体の妙が、彼独特の少々時代がかった台詞回しをより生き生きとさ…

『ジョナサン・アイブ』リーアンダー・ケイニー 読了!☆☆☆

今年一発目にポチった一冊。 本を愛でて愛撫しているだけじゃなく、ちゃんと読まねばっ! と愛撫した流れでそのまま読了! 亡きスティーブ・ジョブズとともにAppleを今世紀最大の企業の一つにまで成長を遂げさせた立役者の一人。 Appleの成功はスティーブ・…

『世界史の極意』佐藤優 読了!☆☆☆

世界史というものは今の時代には基本的な教養の一つだと思う。 海外ビジネスを進めるに当たり、当然のことながら相手先の文化、文明、慣習等々に気を配りながら進める必要がある以上、その国の成り立ちを前提として考慮しておく必要があるからである。 また…

『第一次世界大戦と日本』井上寿一 読了!☆☆☆

日清・日露戦争と第二次世界大戦との間の第一次世界大戦に具体的なイメージがともなわないのは、明治と戦前昭和に挟まれた大正の時代像があいまいなことに関連している。 第二次世界大戦に向かう戦前の体制に関して、なぜそうなったのか関連書籍を何冊読み進…

『昭和陸軍の軌跡』川田稔 読了!☆☆☆

これまで敢えて避けてきた感のある昭和の陸軍に関する本。 イメージだけで言ってしまうと、海軍は論理的で欧米に精通したエリートであり日米開戦に最後まで反対し続けたベビーフェイス。 かたや、陸軍は精神論を武器に感情的・直情的であり、なんの戦略もな…

本を愛でる。

ボクは変態である。活字中毒患者という名の変態である。 カッチュウである以上、本来は『文字を読む』という部分に執着し、快楽を得るということになる。 実際、ボクは本に限らず新聞雑誌、ネットの数多の記事、職場の書類と文字を読むことで心の平穏が保た…

『ワセダ三畳青春記』高野秀行 読了!☆☆☆☆

青き時代に思いを馳せた本を巡る旅は中学、高校を終えて、大学から20代というモラトリアムの時代を舞台とした本書に辿り着いた。 ワセダ三畳青春記 (集英社文庫) posted with amazlet at 15.01.24 高野 秀行 集英社 売り上げランキング: 14,943 Amazon.co.jp…

『田舎でロックンロール』奥田英明 読了!☆☆☆

ボクの両親は団塊世代のちょっと前。ボクは団塊ジュニアの前世代。物心ついた頃には団塊な方々が好き勝手やり尽くし、世間的にヲトナ達は管理主義方面に力を入れはじめ、さんざん騒いだ『若者』といわれる人たちは『無気力』な方向に流れ始めた。 80年代が見…

『初恋素描帖』豊島ミホ 読了!☆☆☆

豊島ミホの青春モノである。 彼女の作品はもっと読んでいた気がするが、5年も前に読んだ『神田川デイズ』以来だった。 本書も購入したのは去年の10月。ともすれば幾多の本と同様積ん読の山脈に埋もれたままだったところが、フト手に取ることになったのは先日…

『ハジの多い人生』岡田育 読了!☆☆

「cakes」連載されていたらしい岡田育のエッセイ。 何かの拍子で知りポチったはずだが、切っ掛けを忘れてしまった...(^^;)ハハハ。 エッセイというモノはけっこう好きである。 しかし中身はどぉ〜でもいい。ボクがエッセイに求めるモノは作者の語り口、文体…

『信長・秀吉と家臣たち』谷口克広 読了!☆☆☆

著者略歴を見る限り、大学の先生というよりも在野の歴史家なのであろう谷口氏の戦国本である。 戦国と言っても氏のメインテーマは信長から家康に至るまでの安土桃山時代が中心のようである。 この時代は実に歴史好きをハァ〜ハァ〜させるヒーローが多々輩出…

『翼を持つ少女 BISビブリオバトル部』山本弘 読了!☆☆☆☆

年明け早々、よい物語に巡り会った。 山本弘の『翼を持つ少女』である。 翼を持つ少女 BISビブリオバトル部posted with amazlet at 14.12.30東京創元社 (2014-12-22)売り上げランキング: 10,350Amazon.co.jpで詳細を見る 好きな作家の山本弘、ボーイ・ミーツ…

Book of the YEAR 2014

年の瀬なのである。なにごとかやはり振り返る時期なのである。 というわけで、ボクの趣味に費やす時間の中でも多くの時間を割いている『読書』について今年のふり返りをするのである。 振り返ると『Book of the YEAR』も前回は2010年である。 ほぼこのブログ…

『ハイブリッドチャイルド』大原まり子 読了☆☆☆☆

圧倒的に綺麗な小説である。 いや、『綺麗』とは違う『透明感』『清潔感』に圧倒される小説である。 こまった。すでにBook of The YEAR 2014のエントリーは予約済みなのに...(^^;)ハハハ。 今年最後の最後に最後の大物に出会ってしまった。 ハイブリッド・チ…

『「本好きへの13の質問」に答える』に答えてみる。

いつも拝見させていただいている倉下さんの『R-style』でこんなエントリーを見かけたんで、本好きの一人として答えてみた。 01. いつから読書に親しんでいますか? 絵本の類はとりあえず置いておいて、紙に活字が並んでいる書籍という面では小学校2,3年の…

『アンティキテラ古代ギリシアのコンピュータ』ジョー・マーチャント 読了!☆☆☆

先週の週明け早々、京都のムー少年からお達しがっ!? 『アンティキテラの機械の話をオススメしときます。』 と。 アンティキテラ 古代ギリシアのコンピュータ (文春文庫)posted with amazlet at 14.12.07ジョー マーチャント 文藝春秋 (2011-11-10)売り上げ…

『売国妃シルヴィア』宵野ゆめ 読了!☆☆☆

グインサーガ正篇134巻となる『売国妃シルヴィア』読了です! この長い長いお話、毎度思うことですが新刊が出るやいなや早く読みたくてたまらないという気持ちと、読み始めるやいなや読み進めることの躊躇いとの戦いといつもいつも精神衛生上よろしくありま…

『ニッポン戦後サブカルチャー史』宮沢章夫 読了!☆☆☆

ボクが生まれた1969年、アポロは月に降り立った。 人類の偉大なる一歩が月面に印された記念すべき年に生まれたボクらは『科学の子』だったのである。 だが、この新たな時代の幕開けとなるべき70年代、世間はどうだっただろう。 『もはや戦後ではない』世代は…

『トリノ聖骸布の謎』リン・ピクネット、クライブ・プリンス 読了!☆☆☆

きっかけはこの記事だった。 ひげ・長髪男性写る? 「キリスト包んだ」聖骸布公開へ:朝日新聞デジタル 髭男爵!?いやいや。 『長身髭男爵現るっ!?』と勝手に脳内返還して何事かっ!?と思いきや、なんと聖なる聖遺物のお話。 アイキャッチのの画像がまさ…

『キメラ―満洲国の肖像』山室 信一 読了!☆☆☆

『満州』という単語を初めて脳裏に納めたのはまだまだ洟垂れ小僧の頃である。 マンガの中でまことちゃんが、♪ここはお国の何万里ぃ〜離れて遠きまんじゅう〜のぉ〜♪と歌っていたのをまねていたら、親から『それはまんじゅうじゃなくて満州!』と窘められたの…

『織田信長 <天下人>の実像』金子拓 読了!☆☆☆☆

出だしでやられた。 「織田信長は本当に全国統一をめざしていたのだろうか」 「信長権力から「統一」の言葉を切り離して考え直す時がきているのではないだろうか」 の実像 (講談社現代新書)" style="border: none;" />織田信長 の実像 (講談社現代新書)poste…

ロマンはどこだっ!?

『ロマンはどこだっ!?』 言わずと知れた?伊坂幸太郎の「アヒルと鴨のコインロッカー」と思っていたら勘違い、「陽気なギャングが地球を回す」の中の名台詞である。 陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)posted with amazlet at 14.10.05伊坂 幸太郎 …

『司馬遼太郎が描かなかった幕末 松陰、龍馬、晋作の実像』(一坂 太郎)読了!

本書は司馬遼太郎の名作「世に棲む日々」、「竜馬がゆく」に描かれる吉田松陰、高杉晋作、坂本龍馬といった幕末の英雄像に対して、歴史の専門家の立場として史実に則った検証を試みているものである。作者は国民作家である司馬遼太郎の作品を通して描かれる…

『突変』(森岡浩之) 読了!

森岡浩之の『突変』を読了した。 文庫版だと733ページという大作だが、それを感じさせずに一気読みしてしまうエンターテイメント作品である。 突変 (徳間文庫)posted with amazlet at 14.09.28徳間書店 (2014-09-19)売り上げランキング: 4,086Amazon.co.jpで…

The History of Jobs & Apple

まるで見た目は絵画の画集のよう。 でも、中身は「世界を変えたいと願い、本当に世界を変えてしまった人物と会社の物語」。そう、これはAppleの製品、サービスそれを生み出してきたスティーブ・ジョブズの来し方をヴィジュアル重視でまとめたものである。ス…

「電子書籍二年」はあるのか?

「電子書籍元年」と賑々しかった昨年末、シャープは「GARAPAGOS」を発売し、SONYは「READER」を発売。大日本印刷とドコモはようやく「トゥ・ディファクト」を設立してドコモ向け配信を開始と昨年夏ごろから次々とニュースリリースした大手の国内電子書籍サー…

「facebook 世界最大のSNSでビル・ゲイツに迫る男」読了!

今話題?の映画「ソーシャルネットワーク」の原作??ベン・メズリックの「facebook」を読了した。facebook作者: ベン・メズリック,夏目大出版社/メーカー: 青志社発売日: 2010/04/06メディア: 単行本購入: 18人 クリック: 752回この商品を含むブログ (122件…

「自炊」という名の自慰行為で自己満足?

昨年8月に我が家にiPadをお迎えしてから5ヶ月。 昨年は「電子書籍元年」とあちこち囃し立てまくりだったことや、そもそも書籍の電子化という点で仕事上も関わらざるを得なくなってきたこともあり、タブレット端末での読書の楽しみ方をあれこれとiPad上で試し…

Book of the YEAR 2010

なんか年々一年が短く感じる今日この頃。 これってやっぱり確実に一年一年歳を重ねているってことなんだろなぁ…。今年の一年はプライベートはいつものごとく愛も変わらず。冬でも我が家はヌクヌクなのに変わりはない。 いったいいつになったら落ち着くのか。…

グロテスクな人間の「業」 「仮想儀礼(上・下)」篠田節子

彼女たちの心に信仰の種をまいたのは自分だ。ゲームだろうが、金儲けが目的で作り上げた神だろうが、信じるものにとっては何の関係もない。神を必要とするものが心の内に神を作り上げていく。 純然たる営利事業として立ち上げた宗教、「聖泉真法会」のワイン…