10月最終週末を迎えて世間ではハロウィーンな気分でふワふワしておりますが、残暑ッ気もすっかり無くなり一日を通じてとても過ごしやすくなり秋本番でございますっ!
というワケで、先日の喜多研一氏の『GROUND RESUME 2018-2022』で芸術の秋に火が付きまして...(^^;)ハハハ。
というか、なかなか足が重くて年間通じてそんなに出向かない展覧会なんですが、一度足を向けると続けていろいろと廻りたくなるんですよね(笑)
ということで先ず向かったのは初台!
京王新線初台駅で下車して、オペラシティの地上に出ると前後は細くて左右は太い初台の巨人が出迎えてくれます。
数年ぶりに初台の巨人さんと再会しましたが、なんかこの巨人さんうめき声を上げながら、口元は開閉してるんですね?
初めて知りました(笑)
そんなオペラシティに向かったのは、12/18まで開催されている川内倫子さんの『M/E』を観に。
川内倫子さんとは実は不思議な出会いがあり(といってもご本人とお会いしたわけではございません。)、6年前に写真に興味を持ち始めたとはいえ、なにを撮りたいのか?どんな風に撮りたいのかまったく解らず、とりあえず写真家の写真集でも参考にしようかと、池袋ジュンク堂の9Fに向かったのです。
ズラッと並んだ国内外の写真集の背表紙を見ても、バックボーンとなる知識が全くないので、誰の写真集がいいのかもさっぱり解らず...(^^;)ハハハ。
そんな中無意識に手に取ったのが川内倫子さんの『Aila』だったのです。
そういえば、以前ガーリーフォトというのが流行ってたよな?くらいの感覚で、馴染みやすいかも?と直感だけを頼りにレジに並んだのでした。
表紙を捲ると、記録と言うよりもイメージに近いその作風はこれまで漠然と捉えていた写真の輪郭からはほど遠く、とても自分が撮りだした写真とはまったく異なるアプローチであったものの、でも不思議となんか物事がうまく進まない時や、気持ちをリセットしたいときには本棚から撮りだして繰り返し眺めてしまう、今では一番見返す機会が多い写真集となっているのです。
そんな川内倫子さんの展覧会ということで、これは一度は印刷物では無く、実際のプリントを観てみたいと。
最近の写真の展覧会は館内撮影OKというところも多く、こちらの展覧会も自由に撮影出来ました。
いわゆる写真の展覧会のように、写真が横並びで展示されているスペースもあれば、こちらのように凝った展示も。
奧の壁に写真が飾ってあり、その手前にグレーの半透明のスクリーンのようなモノが天井からぶら下がってました。
直に写真を観るもヨシ、スクリーン越しに観るもヨシ。角度を付けて直視と間接視を交えて観るもヨシ。
これはなかなか新鮮な感覚でしたね。
渡部さとる氏もYouTubeチャネルの2Bチャンネルで仰ってましたが、『川内さんは映像の人なのでは無いか?』ということで、展示には映像もポイントポイントで展示されてます。
といっても、最近の映像は昔のように展示の最後の方でビデオを流すだけでは無くて、映像自身もコンテンツとして同列で展示されてるんですね。
こちらでは床一面にプロジェクターで投影されてイメージが揺蕩ってました。
この辺から記録では無く、溢れるイメージに自分自身もふワふワとしてくる感覚に襲われます。
壁一面に張り巡らされたこのコーナーでは、写真を観ているのにこれまでの映像で感覚がふワふワしているので、ここの写真は停止しているのに無数の壁一面の写真を捉えるとそれぞれの写真が映像のように動き出したかのような感覚に陥ります。
だいぶふワふワしたところで、この辺りでちょっと正常な感覚に立ち戻ります(笑)
自分もオールドレンズとか使うことが多いので、こういうゴーストやフレアが発生するような写真を狙って撮るコトもあるンですが、こんな風にバシッと決まることってほぼほぼ無いんですよね...(^^;)ハハハ。
広めのフロアの中央に設えられたこの空間は、いかにも今風な展示コーナーでした。
もはや、写真とは紙にプリントしたモノだけではないンですね。
このようにモニターに表示させたり、
こちらはアクリル板にプリントしたのかな?
川内さんのこの10年間の様々なイメージを浴びた最後はこちらの壁二面をフルで使った映像で締めくくります。
端で全体を見渡しながら客観的に観るもよし、中央に立ち左右のイメージを浴びてその中に感覚を吸い込まれるのもヨシ。
すべてのフロアを観覧したところに川内さんのこれまでの写真集が並べて展示されてました。
こちらは自由に中を閲覧できるので、帰りに気に入った写真集を購入するのに良いですね。
帰りに会場の横で営業しているミュージアムストアで木村伊兵衛賞を受賞された『うたたね』を購入して会場を後にしたのでございました。
はじめて川内さんの写真集を手にしてから何年も経ちましたが、ボクの好きな写真はどちらかというとじゃない写真よりもストレートフォトグラフィの類なんですが、写真や映像にこだわらない今の写真の展示を体感出来る展覧会でした。
川内倫子 Rinko Kawauchi M/E 球体の上、無限の連なり
国内では約6年ぶりとなる大規模個展である本展。この10年の活動に焦点を当て、未発表作品を織り交ぜながら川内の作品の本質に迫ります。
そんなこんなな川内倫子さんの展覧会に行ってきた翌日、まだまだ芸術の秋モードが発動しっぱなしだったようで、今度は六本木に足を伸ばしたのでございます。
向かったのは東京ミッドタウンのフジフィルムスクエア写真歴史博物館!
カメラはフジフィルムユーザでは無いので(いっときX100Fを所有してたこともありましたが...(^^;)ハハハ。)前を通り過ぎたことは何回もありますが、中に入るのは今回が初めて(笑)
9月29日から12月28日まで開催されている須田一政氏の『人間写真機』を観てきました。
須田氏ははっきりと好きな写真家と呼べる人の一人です。
川内さんの『Aila』を購入して以降、国内外の様々な写真家の写真集を購入してきましたが、国内で言うと奈良原一高、森山大道、須田一政、田中長徳とこの辺の写真家の写真集が一番多いんですよね。
残念ながらこちらは撮影禁止ということでフロアの外からちらっと雰囲気を掴めるくらいの写真しか撮れませんでした。
点数も30枚が左側の壁に上下三段で陳列されている感じです。
須田氏の写真というと、一瞬身近な日常をスナップしているようにみえるのですが、なにか違和感を感じるというか、日常に潜むちょっとした異世界感を滲ませるモノがとても心に引っかかります。
また、命通った人間や動物であってもパッと見『モノ』のようにみえるときが多々あるというか、自分以外のすべての時間が止まってしまったようにみえる感じが、他の写真家の写真とは違うンですよね。
写真そのものが時間を閉じ込めるモノだとすれば、どんな写真もそのように感じるんだろうけど、須田氏の写真だけそんな違和感・異世界感を感じるのはなぜなんだろう?
と、須田氏の写真集もフト気付くと手に取って眺めてしまうことが多いです。
そんなこんなな秋真っ盛りの10月最終週末は写真の展覧会巡りで過ごしましたとさ!