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“TEAM H末端構成員”が妄想と現実の狭間で戯れます。

池袋モンパルナスを夢想して〜豊島区池袋二丁目、板橋区南町

池袋モンパルナス

池袋モンパルナス(いけぶくろモンパルナス)とは、大正の終わり頃から第二次世界大戦終戦頃にかけて、東京都豊島区西池袋、椎名町、千早町、長崎、南長崎、要町周辺にいくつものアトリエ村(貸し住居付きアトリエ群)が存在し、多くの芸術家が暮らし芸術活動の拠点としていた地域の呼称。また、この地域に暮らした画家、音楽家、詩人などさまざまな種類の芸術家が行った芸術活動および熱く語った文化全体もさす[1]。

大正の昔から第二次世界大戦終戦くらいまで池袋周辺に存在したという、芸術家たちのアトリエ村の総称『池袋モンパルナス』。

池袋という土地は『池』が示すように沼地が点在し、新宿や渋谷といった今でいう山手の繁華街に大きく後れを取っていたという。
まぁ、今でも充分に遅れてはいるのですが...(^^;)ハハハ。
でもそんな土地柄だからこそ安くてアトリエ付の物件に夢と希望だけは充分に持ち合わせている芸術家を広く受け入れる懐の深さもあったのだろう。

そんな大正期に始まる池袋モンパルナスを始まりとして、戦後昭和のトキワ荘時代、平成後期の乙女ロードを発端とする秋葉原に続くオタク文化の発信地、令和となり東アジア文化都市豊島に基づく池袋大改造が一段落と、振り返ると実は『文化』の香りが連綿と続いているらしい池袋。

そんな池袋の文化的な側面のキッカケとなった池袋モンパルナスの名残、痕跡を訪ね歩く新シリーズ『池袋モンパルナスを夢想して』!
第一回は実はウチの近所もその一角であったらしいと、池袋二丁目〜板橋区南町といった、うちの小春さんの散歩コースを辿ります。

このシリーズでは豊島区公式HPにある『アトリエ散策マップ』を参考にしています。

このマップを見る限り、その中心は池袋から真っ直ぐ西に向かう乱歩通りと山手通りの交差点の西側のエリアのようですが、我が家のある劇場通りの北の方にもその一角が点在しております。

【斉藤アトリエアパート跡地】

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そんな一角がこちら。『斉藤アトリエアパート跡地』の区画には今はファミリーマートやHOT MOTTOに変わってます。 住所でいうと豊島区池袋2丁目78付近。

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その裏側の路地は以前紹介したこともある旧三業通り。
今となってもこの通りも当時の面影は全く残ってないですが、この左側のブロックの先には世界館・日本館といった映画館もあったらしく、なにか大正モンパルナスの香りの延長線上に戦後焼け跡からの復興で映画館や三業地が根付いていったのかも知れません。

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池袋2丁目78ブロックの裏路地もこのようにマンションや中小ビルにすっかり変わってしまい、名残の一つもございません。

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ブロックをブルッと一周して劇場通りへ。

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豊島区池袋2丁目78付近。かつて斉藤アトリエアパートが存在していたエリアです。

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やっぱり痕跡無いよなぁ〜と改めて確認した後は劇場通りを南下してみたけ通りに向かいます。

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Go WEST!な散歩コースのみたけ通り。
これから向かうアトリエの跡地も、実は何度もうちの小春さんのお散歩で通り過ぎている一角。

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みたけ通りから坂下通り商店街に入ると、今朝もいらっしゃいました(笑)
埼玉屋豆腐店の茶虎さん。

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俗世のことにはナニも興味が無いのか、微動だにしません...(^^;)ハハハ。

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茶虎を後に、坂下通り商店街を谷端川緑道まで向かいます。

【みどりヶ丘アトリエ村跡】

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坂下通り商店街の終点となる山手通りに突き当たる手前。

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谷端川緑道の左先のエリアがみどりヶ丘アトリエ村跡

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住所としては板橋区南町3付近

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北は坂下通り、東は谷端川緑道。西は山手通りに囲まれた一角。

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山手通り側はマンションや中層ビルが並び立ち、当時の面影などはどこにも落っこちておりません。

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住所的にはこの細い路地の左側がみどりが丘アトリエ村だったところ。

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通り抜けられそうなんで谷端川緑道側に抜けていきます。
実はこの写真の右側がみどりが丘アトリエ村跡で左側が次にご紹介するひかりが丘アトリエ村跡なんですね。

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今は蓋をされて暗渠になってますが、当時は水が流れる谷端川を目の前にして、アトリエに差し込む日差しも長閑だったんでしょうねぇ。

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板橋区南町3付近。かつてみどりが丘アトリエ村が存在していたエリアです。

【ひかりが丘アトリエ村跡】

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みどりヶ丘アトリエ村跡との路地を挟んで南側はひかりが丘アトリエ村跡。 住所の区画的には板橋区南町3と南町5が並んでいるんで、けっこうアトリエ棟が建ち並んでいたのでしょうか?

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植垣が並ぶ路地をモノクロで撮るとなんとなく当時の雰囲気がでるかもしれないと(笑)

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この辺りも当時のアトリエ棟らしき物件は残っておらず、せいぜい昭和のアパートらしき物件が残っているのみ。

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板橋区南町5付近。かつてひかりが丘アトリエ村が存在していたエリアです。

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この辺りの谷端川緑道はここ数年改装するお店もチラホラあり。
たちばな寿司さんも、以前は昭和の町中のお寿司屋さんの風情だったのが、黒を基調にしたシックな外観に変わり。

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たちばな寿司さんの前にも黒を基調にして家紋を暖簾に飾るお店が出来たりして、ちょっと景色が変わりつつあります。

まぁ、痕跡があったらなんとなくこれまで気がついただろうけど、なにも気になることがなかった通り、今回訪れた斉藤アトリエアパート跡地みどりヶ丘アトリエ村跡ひかりが丘アトリエ村跡には当時をうかがわせられるモノはナニも残ってませんでした。
でも、特にみどりヶ丘アトリエ村ひかりが丘アトリエ村と2つのアトリエ村が続いてあった暗渠化前の谷端川の光景は夢想するにいぃ〜景色だっただろうなぁ〜と...(遠い目)。


池袋モンパルナスに夜が来た
学生、無頼漢、芸術家が街に
出る
彼女のために、神経をつかへ
あまり太くもなく、細くもない
ありあわせの神経を———。
・・・・・・・・・・・・

小熊秀雄「池袋モンパルナス」より
(「サンデー毎日」昭和十三年七月三十一日号)