SAY SILLY THINGS!

“TEAM H末端構成員”が妄想と現実の狭間で戯れます。

さりげない心づくしにおもてなしの真髄を実感。加賀屋能登の旅その2。

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そんなこんなで館内探索後は温泉へ! さすがに温泉では写真撮れないんで...(^^;)ハハハ。 2箇所の大浴場に露天風呂、サウナでは古希の祝いでわざわざ博多からいらしたお爺ちゃんと北陸話に花が咲き、気がつくとサウナの中で15分近く......気がついてびっくりして死にそうになるなどしながらさっぱりと世俗の毒素を洗い流し。

ヨォ〜やく一番のお楽しみ!旅館の夕餉!しかも部屋飯です!! 旅館の部屋飯大好きな我が家なのです。

初日の夕餉

まずは初日の夕餉。 旅館の部屋飯で、北陸は能登。しかも国内No.1ホスピタリティを誇る加賀屋さんの夕餉ともなればさぞや!? とお思いでしょうが、まさにそのさぞやっ!?でございました...(^^;)ハハハ。

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端から端までのお品書き。 その品数は全13種類っ!? もぉ〜配膳される前からテンションはピークでございますっ!!

  • 食前 金澤柚子蜂蜜
  • 酢の物 ズワイ蟹酢 香箱蟹酢
  • 前菜 里海里山の恵みより
  • 先吸物 蕪すり流し 甘海老つみれ
  • 造り 盛り合わせ十種
  • 煮物 合鴨治部煮
  • 台物 のど黒と鱈の温泉蒸し いしるポン酢
  • 焼物 和牛朴葉焼き 粟麩 大黒しめじ
  • 蒸物 百合根饅頭 蟹あん掛け
  • 御飯 石川県産コシヒカリ
  • 留椀 蟹と岩海苔の味噌汁
  • 香の物 盛り合わせ
  • デザート 能登ミルク豆腐 能登大納言

しかも、No.1ホスピタリティの真髄を実感したサプライズなお品もっ!?!?

  • サプライズ ???

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まず配膳されたのは、食前の柚子蜂蜜と前菜に蟹っ!

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前菜の里海里山の恵みよりは山海の珍味の数々。 酒飲みだったらもっと美味しく味わえたんだろうなぁ〜。 酒飲みぢゃなくてもそれぞれ普段口にする機会がないものが多く、美味しゥ〜ございました。

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そして蟹! 北陸も11月第1週に予定通り蟹漁解禁なのですっ!! ということは北陸の冬の味覚も本格的に開幕なのですっ!!

そして目の前にはオスのズワイ蟹とメスの香箱蟹が揃い踏みなのですっ!?!?

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香・箱・蟹っ! 左の外子、右に蟹の身、その下に内子がみっしり。 蟹が酢の物で出てくるなんて、贅沢です。贅沢過ぎますっ!!

最初の配膳をしている間に仲居さんがいろいろと会話を促してきます。 この受け答えで、お客さんの感じを掴んでいるようで、蟹は時間がかかるから、合間にお茶を運んできて、進み具合を多分確認して、次の料理の間合いを計っているんです。

その間がホント絶妙で、プロだなぁ〜と感心しました。

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蟹でやはり結構時間を食って、時間かけて食べると満腹中枢が満たされるわけで、お尻の青い思春期男子でもないボクは早くも満足感という幸せホルモンに身も心も満たされつつあったのです。

次の膳はお吸い物で蕪すり流し、甘海老つみれ。 蟹ときたら甘海老でございます。

濁って見えたのは蕪を細かく摺って入れてたからなんですねぇ〜。 ふんわりとしたつみれが胃に優しく、食欲をそそります。今のところ(笑)

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そしてお造りです。 今回、加賀屋さんの旅を楽天トラベルで選んだ時、いろんなプランがある中で、このいつもの二倍!盛り合わせ十種に目が眩んだのです(笑)

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いざ目の前にすると、テンションは振り切れ、何が何だか分からなくなってきます。 まるで初めてとっくりやさんのジェンガ盛りを目にした時のようなハイテンションです。

白身からが美味しいのは当たり前で、天然ぶりも普段金沢市内で食べる天然ぶりとも違う脂の乗り具合。 中トロなんぞ、もったいなくて最後にとっておいたら脂が溶け出すようなトロ具合です。

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さざえと雲丹も丸ごといらっしゃいませ、ごきげんよう!状態。 身も心も満足させられて、ここまでで十分堪能いたしましたと(笑)

母さん、幸せって、一度に味わうと許容するのに限度があるもんなのですね...。

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さらに追い討ちをかけられたのがこのサプライズ!?

お品書きにはない鯛のお頭付きのお造りを仲居さんが突如運んできてくれたのですってっ!

♂『え゛っ!?あ゛れっ!?頼んでないすけど??』 仲『さっき、結婚記念日でいらしたって聞いたから、厨房バタバタさせて造ってもらってきましたぁ〜』

仲居さん.........(T0T)。 最初の膳を配膳してくれている時に、どちらから?とか色々会話した中で、今回結婚記念日で奮発して来たんですヨォ〜的なことを言ったんですよ。 そしたら、それをすぐさま受け取って応えてくれるこのホスピタリティぶりっ!感動モノでございます(TT)。

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もぉ〜見ての通りのプリプリぶりです。 鯛のお造りってこうだよねっ!というまさに鯛!

魚好きとしてはもぉ〜これ以上にない幸福感に包まれて、もぉ〜この時点でご馳走様でございましたなのです。

しかし、またお品書きの5/13しか出ていません......(; ;)ハラリ。

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次の膳はちょっと前後して、のど黒と鱈の温泉蒸し・いしるポン酢で。 蟹、お造り、サプライズお造りと海鮮三連ちゃんできて、とどめののど黒です...(^^;)ハハハ。

金沢に来られる観光客の御目当ての一つがのど黒だと思いますが、のど黒ののど黒たる真骨頂を味わえるのは、お造りやお寿司よりも焼き物や蒸し物といった、のど黒に火が通ったものの方が、のど黒のジューシーさを味わえます。

こちらも、身も心もいっぱいいっぱいで食べるのが申し訳ないほどの冬の王様メニューで、のど黒に鱈に鱈の白子でございますよ。 普段だったら、これだけでご飯2杯くらいいけるおかずでございます。

胃が拒否反応を示し出す中、いしるポン酢のおかげでなんとか胃に収めることができました(笑)

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そして煮物、合鴨治部煮。 居酒屋とかでも普通にメニューにある郷土料理、それが治部煮ですが、そぉ〜いえばちゃんと治部煮を食べるのは初めてかもしれません。 汁がトロトロしているのは、鴨肉の旨味を閉じ込めるために小麦粉にまぶしてから煮るので、その小麦粉が溶け出してトロッとするんだそぉ〜です。 見た目こってりかと思いきや、わさびも効いて思いの外あっさりといけました。まだ、ボクの胃頑張れそう!でも、それは幻想でしたが。

もう、このころにはだいぶペースが下がっているんですが、仲居さんのホスピタリぶりも素晴らしく、ちゃんと二人食べ終わる頃合いを見計らって、膳を下げに来ます。 決して、次から次へと次のお膳を持ってこないところが、お客様第一のプロ意識を感じます。

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また前後して蒸物の百合根饅頭の蟹あん掛け。 また蟹かぁ〜いっ!とツッ込みつつ、ちょっと舌が贅沢になっています。 旅館で和食の夕食膳を頼むと必ず出てくるこの百合根。 普段食べることはまずないんですが、百合根って和食の膳では必須なものなんですかねぇ?

料理自体は大変美味しく頂いたものの、どぉ〜も百合根というモンが舌に合わないのです。 最初里芋かなんかと思って口にした時の違和感が未だに舌に残ってて...(^^;)ハハハ。

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そして、ヨォ〜やく最後の大物、焼物の膳で、和牛朴葉焼き・粟麩・大黒しめじです。 陶版焼きですなぁ〜。ただ、陶版の上に朴葉?が敷いてあり、その上で蒸し焼きにする感じです。

普段だったら、肉肉肉っ!とボクよりもお肉に喰いつくうちの相方さんがはしゃぎ回るのですが、この頃うちの相方さんはすでにグロッキー寸前(笑) 目の力はなくなり、首は左に傾き、精も魂も尽き果てヨォ〜としております。

美味しゥ〜ございます。これだけ出されたら、どれほど美味しくいただいたことでしょう!

でも、我が家のお二人様の胃袋にはすでに散々詰め込まれ、胃の入り口の栓から溢れださんばかりなのです......(TT)。

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お肉と一緒にご飯セットも頂きました。 普段であれば、お造りのあたりで白飯を頂くものの、お品書きを見て、これは最初のうちから白飯食べだしたら、途中で何も入らなくなると思って、最後の最後にしたんですが、もはやこれまで...(^^;)ハハハ。 ピカピカテカる石川県産コシヒカリと蟹と岩海苔の味噌汁に香の物盛り合わせです。

蟹と岩海苔のお味噌汁のなんと胃に優しぃ〜ことか。

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そしてデザートは能登ミルク豆腐の能登大納言載せ。 やはり、いくら胃が死にそうになっていても、デザートの甘さというモンは格別なのですね。

死ぬ死ぬ言いながらも、しっかりと美味しくいただけました。

これで13品+サプライズ1品、なんとか全て完食でございます。 いやぁ〜幸福感にも許容量があるということを今更ながら知りました。 が、どれもこれも格別です。これまで食べてきた旅館の部屋飯の中では飛び抜けて美味しぃ〜和食の膳でございました。

ごちそぉ〜さまでございますm(._.)m
と、実はサプライズな鯛のお頭付き以外にも、まだサプライズがあったのです。

ちょうど、仲居さんが鯛のお頭付きを持ってきて、ワァ〜ワァ〜キャァ〜キャァ〜〜もひと段落した頃、

『失礼いたしますゥ〜副支配人の○○でございますm(._.)m』

と副支配人さんのご登場!?

顔を上げると、なんとっ!? 先ほど『館内は美術館』ツアーで館内の美術品を面白おかしく解説していただいたあのオッちゃんっ!?いや、おじさまが副支配人だったとはっ!?!? てっきり、ボランティアかなんかの役所のOBの方かと思ってました...(^^;)ハハハ。

副『この度は結婚記念のご旅行ということで、本館にお越しいただきまことにありがとうございます。女将の方からもお二人にささやかな贈り物ということで、お届けにあがりましたm(..)mm(..)m』

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ということで、女将からサプライズプレゼントなのでございますってっ!?!? いやいや、そんなことまで申し訳ない限りなのでございます。

こういったやりとりも、大げさでもおもてなしアピールな嫌味な感じもまったくなく、お客様にいかに楽しんでもらえるかを第一に考えているささやかな心づくしに、加賀屋さんのホスピタリティをひしひしと感じます。

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中身は九谷焼夫婦茶碗でした。
この夕餉で感じたことは、先ほど書いたことの繰り返しになりますが、おもてなししておりますっ!という押し付けがましさをまったく感じさせず、逆に自分たちペースで合理的に食事を回すということもまったく見られず。 お客様とのちょっとした会話から、このお客様がどういうお客様なのかを瞬時に見極め、そのお客様が何を望んでいるのか?どうしたらお客様に喜んでいただけるのかを真摯に考えて、自らの行動に反映する。 こうして書くと、これって加賀屋さんに限った話ではなく、仕事をする上でどういった職業にも当てはまる普通のことなんですよね。 普通のことを普通にできる凄さ、それが長年No.1ホスピタリティを維持している所以なんだと思います。

我が家は結構食べるのが遅いンで、普通のお客さんより時間がかかったかもしれません。 19時から食事を開始して、全て終わるまで2時間強。食べ終わった時には21時を回ってました...(^^;)ハハハ。 その間、厨房の都合ではなく、我が家の食事のペースに合わせて、温かい料理は温かい状態で配膳していただいた仲居さんには感謝感謝ですm(..)mm(..)mm(._.)m


二日目の朝餉

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そんなこんなの凄まじぃ〜夕餉を楽しんだ翌日、二日目の朝餉はこんな感じでした。

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昨夜とは打って変わって、ご飯のお供を中心とした胃に優しそうなラインナップ(笑)

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メインの焼き物はカレイの一夜干しです。 そういえば、金沢のエムザのデパ地下にある干物屋さんのおばちゃんがこの間、 おばちゃん『能登名物のカレイの一夜干しうま゛いヨォ〜お兄ちゃん持ってってっ!!』 とやたらとオススメしてたんだよなぁ〜。

実際食べてみると、これがまたホントうまいうまい!淡白すぎてあまり味しないかな?と思ってたんですが、皮の方をちょっとパリッと焼くと香ばしさが増して、この小ぶりの大きさも朝食にもってこいです。

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普段朝食食べないんで、あまり朝食は箸が進まないのが、ご飯のお供が充実しすぎて、普段と打って変わって白飯2杯頂きました(笑)

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こちらは酢の物と切り干し大根。

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お豆腐には名物能登出汁がかかっています。 この能登出汁は1階の売店でもお買い求めできますよ!

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一口サイズに小分けされたちりめん山椒もオススメ! 帰りにしっかりお土産にお買い求めでございます。

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こちらはご飯セット。 いやぁ〜和食の朝食ってこの歳になるとやっぱりイィ〜もんですなぁ〜。

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最後に能登ミルクの飲むヨーグルト! これめっちゃ美味しぃ〜のです。 コクがあるように感じるんですが、飲み心地はさらっとあっさりしている矛盾した感じ。 濃厚でありあっさりな程よい甘さのヨーグルト。毎朝これ飲んで会社に行きたいっ!!

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と、やはりNo.1ホスピタリティの名声は本物でございました。 従業員もウン百人と、やはりマンツーマンディフェンスで徹底したホスピタリティを維持するには、それなりの人件費がかかります。 なので料金も普通の旅館に比べるとそれなりですが、『接客』ということに関して、ホスピタリティというものはなんぞや?ということの一つの答えは、ここ加賀屋さんに来てみると実感できて、また学べると思います。

またいつの日か、二泊三日くらいで人間やめに来たいなぁ〜。

加賀屋
夜総合点★★★★ 4.0

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