SAY SILLY THINGS!

“TEAM H末端構成員”が妄想と現実の狭間で戯れます。

聞きしに勝るNo.1ホスピタリティ!加賀屋能登の旅その1。

image

毎年出来るだけ秋のイベントは結婚記念日旅行に出かけたい我が家なのです。 金沢に移住して、昨年は距離的には近くなった京都へ、『そぉ〜だ京都に行こう!』と修学旅行以来のプライベートな京都旅行でしたが、今年は北陸ならではのところへ。

せっかく北陸にいるんだから一度は行ってみたかった和倉温泉の『加賀屋』さん。 長年No.1ホスピタリティとの呼び声も高いその加賀屋さんへ是非是非一度は足を踏み入れたかったのでございます。

昨年の冬に東京の本社から来たグルメなおエラいさんと飲んでいたときも、 おエラい『あそこさぁ〜前に親連れて2泊したんだけどさぁ〜。いやぁ〜あそこに何泊もいたら人間ダメになるねぇ〜〜〜』 と言っていたのが耳から離れず、これは一度はただでさえダメな人間具合をさらにダメダメにしてくれるホスピタリティとはいかなるものか!?と。

しかし、いつもの具合で10月の結婚記念日の一か月前の9月に予約を入れようとしたら連日予約は一杯で、なんだかんだと11月まで待たされたのでございます...(^^;)ハハハ。

とはいえ、よぉ〜やく和倉温泉加賀屋さんのホスピタリティに浸かる旅へ!ということで。

金沢駅から雷鳥さんで和倉温泉駅へ!

image

和倉温泉へは金沢駅から七尾線和倉温泉駅へ。 いつも金沢から西に向かうときに使う雷鳥さんが和倉温泉まで1時間程度で連れて行ってくれます。

image

13時台の雷鳥さんだったんで、旅っぽくお昼はお弁当ゥ〜〜。 金沢駅の百番街で、能登に行くんで能登牛弁当を買い求めて雷鳥さんに乗り込みます。

image

左のすき焼き弁当は甘く煮込んだ能登牛。右の焼き肉弁当は焼肉ダレでお肉はこっちのほぉ〜が厚め。 平日に相方さんと電車の中で食べるお弁当ゥ〜というモンも、非日常的で格別でございます。 喰ってる間に羽咋駅を通り過ぎました(笑)

image

そんなこんなの小一時間で和倉温泉駅へ。

image

温泉街の駅っぽいですなぁ〜。

image

ここ数日金沢周辺は湿っぽかったんですが、この日はなんとか雨は降らずに曇り。

image

駅周辺はほぼお店はありません。 お土産とか、帰りのお昼とか用を済ませるところがほぼ無いンで、温泉街でその辺の用事はすませておきましょう!

image

和倉温泉駅からは加賀屋さんのお迎えバスで加賀屋さんへ

特急の到着時間に合わせて、各温泉宿さんはバスでお出迎えです。 加賀屋さんも大型バスでデンッ!と待ち構えております(笑) この日も加賀屋さんは全室満室だったよぉ〜で、大型バス一台にも乗りきらず、二台目のバスも用意してました。

image

和倉温泉駅からはバスで10分程度で加賀屋さんに到着です。

image

バスから降りた途端に、まず最初のホスピタリぶりに驚かされるのです。 おりるやいなや、待ち構えていた案内係さんがワラワラとバスの乗降口に群がってきて、お客さん1組につき1人の案内係さんが付いて、マンツーマンディフェンスですっ!?

image

なにが起きているのかよくわからないうちに、バッグを持ってもらって、そのままフロントへ。

image

エッ!?まだチェックインまで1時間あるハズなんだけど???と頭の中はポカァ〜ンとしてますが...。

image

係『フロントまでご案内いたしますので。(ニッコリ)』

とニッコリされるのでなすがまま...(^^;)ハハハ。 フロントでは予約した氏名を言うだけで、チェックインは完了みたいですぅ。 予約システムがしっかりしているのか、宿泊台帳的なモンを書くことも無く完了。 大手のビジネスホテルとかでもシステムで予約しるにも関わらず、チェックイン時にまた住所氏名とか台帳に書かせるところもありますが、そういう余計な手間はかけさせませんっ!

image

ちなみにこのフロントの後ろにかけられている看板は創業時のモノだそうです。 超簡単なチェックインが終わった後は、

係『お部屋の準備が済むまでこちらでおくつろぎください。』

とフロント横のラウンジに案内されます。 そこで、チェックイン時の案内係さんとはお別れ。 ラウンジ係の方がやってきて、おしぼりだのお茶だののサービスをしてくれます。 なんか、いろいろお世話されるのになれていないんで、お尻の穴がムズムズしておりまして、落ち着かないんでうちの相方さんを残して、煙草がてら周囲を散策に...(^^;)ハハハ。

image

湾側には小さな社と創業者の銅像が。

image

日本海とはいえど、七尾湾内のさらに能登島に外海と遮られているんで、波らしい波もない、穏やかな海が広がります。

image

入口の脇にはこのよぉ〜な和室のスペースも。 お茶会とかで使うんですかね?

image

暗いですが、こちらが部屋の準備が整うまで案内されたラウンジ。 夜になると、ダウンタウンガキの使いに出てる板尾の嫁みたいな歌い手さんが、往年のポップスを歌ってました。

image

フロントから客室にかけては4階部までこのよぉ〜な吹き抜けでやたらと開放感がある造りです。

image

結局、15時というチェックイン時間まで待たされることも無く14時半にもなっていないうちに、今度は客室係さんがやってきて、またマンツーマンディフェンスで館内案内がてら、客室まで案内してくれます。

吹き抜け部を抜けると外の景色が見えるエレベーターで、これはエレベーターから見える和倉の街の風景です。街としてはかなりコンパクトな街ですなぁ〜。

雪月花 水仙の間は広々過ぎて持てあまし気味...(^^;)ハハハ。

そして、15階の水仙の間へ。 いやぁ〜広いのですってっ!持てあますのですってッ!!

image

玄関口から入って目の前は居間。16畳くらいあります。

image

居間の窓を開けるとオーシャンビューっ! 穏やかな七尾湾が広がります。 目の前には能登島が。能登島って思っていたよりけっこうデカいです(笑)

image

居間の横にはダイニングスペースが。 食事は食堂、宴会場ではなく、部屋飯です。 夕食も朝食もこのダイニングで食べることになります。 漆のテーブルがトゥルントゥルンで綺麗です(笑)

image

ダイニングのとなりが寝室。 ツインベッドです。 本来旅館だったら、居間だけで食事も夜は布団を敷いて間に合ってしまうのに、ダイニングだの寝室だのと3部屋もあるんで、やたらと広々感じる間取り。

image

玄関の右スペースはトイレやお風呂の水回り系。 洗面所スペースに客室用お風呂。

image

お風呂も手抜くところだとユニットバスとかにしちゃってますが、ちゃんと洗い場もあるし、お風呂もお湯を溜めて入れるちゃんとしたお風呂です。

image

ちなみに気持ち悪いですが、この三部屋を無理矢理パノラマで撮るとこんな体で(笑) 広いんだけど、動線がちゃんと考えられていて右往左往しなくて済むけっこう考えられた間取りです。

image

そんな部屋内探索をしていると1泊いろいろとお世話になる仲居さんがやってきて、まずは抹茶を一服入れていただきました。 いやぁ〜心落ち着きますなぁ〜。

この仲居さんがなかなかのホスピタリティ魂を持っていると言うことをこの一両日を通して実感するのです。

この最初のファーストコンタクトで、なにを会話したか忘れちゃいましたが、何気ないこちらの反応をちゃんと感じ取りながら、その後のおもてなしを組み立てているよぉ〜なんですなぁ〜。

加賀屋さん恐るべしっ!?なのです。

一服したところで館内施設探検です。

抹茶で一息入れた後、まだまだ夕飯まで時間があるんで館内施設の探検です! 客室案内係さんに案内される道中一通り聞いていたところを中心にチェック。

image

この加賀屋さん、温泉宿としてはかなり大箱の部類に入ります。 1階には、昔ながらの芝居小屋などもあったりします。

image

祭り小屋というスペースでは昔ながらの芸能を楽しむことができるよぉ〜で。 ちょっとした歌舞伎とかでも対応できそうな小屋です。

image

昔の芸能の他にもこの祭り小屋とは別にシアターくらぶ「花吹雪」という劇場もアリ、そちらは雪月花歌劇団という宝塚のパチモンみたいな歌劇団のショーも楽しめます(笑)

image

その他、なんとっ!?ディスコもあっちゃったりっ!?!?マヂかっ!? 来月にはヒロミ・ゴーのクリスマスディナーショーがこの曼荼羅であるそぉ〜です(笑)

image

こちらはお土産小路的な錦小路。 館内に水路も流れています。

image

小路の両脇にお土産、伝統工芸品店が建ち並びます。

image

image

ちなみに夕飯時の前、チェックインしてひとっ風呂浴びたおば様軍団が押し寄せると、こんな混雑ぶりになります...(^^;)ハハハ。 こんなおば様というかお婆様軍団に押しつぶされそうになったのは、巣鴨のとげ抜き地蔵に行ったとき以来です(笑)

image

ラウンジにはこのようなお琴の舞台も用意されてます。 日中帯は結構な頻度でお琴の演奏が愉しめます。

image

と、館内だけでいろんなエンターテインメントも愉しめる加賀屋さん。 これだけの施設を維持し続けるのって大変だろうなぁ〜と思うとともに、多分昭和の大衆旅行で流行った温泉街、熱海とか鬼怒川とかも昔はこんな感じに大箱で、昼夜館内で愉しめるような宿があったんでしょうねぇ。

でも、時代の趨勢というか次第に個々人で楽しみを見つけるホテル的なモノの方に、お客の嗜好が流れていったんで、このようなタイプの温泉宿が廃れていったのではないかと。

なので、ある意味未だにこのような形式の大箱温泉宿として経営が成り立っている加賀屋さんはそういう意味でもスゴイです。 とともに、館内の雰囲気が昭和な感じでどことなく懐かしさを感じるモノがありますなぁ〜。

館内は美術館』加賀屋を彩る名匠の“心”と“技”

image

館内散策だけでも夕飯までの時間があるんで、仲居さんが予約してくれた館内イベント『館内は美術館』に参加です。 小一時間で館内に展示されている伝統工芸をご案内というこのイベント。 以外とお客さんが集まり、1班2班にワケての館内道中です。

image

まずは館内に設けられた能楽堂からスタート。 金沢では結構頻繁にお能の催しがありますが、こちら加賀屋さんでも年に二回能が愉しめるそうです。

写真を観て違和感を感じた人! そぉ〜なのです、手前左の柱が無いのです(笑) 釣り天井なので柱の取り外しが可能ということで、能の時期では無いときには柱を外して結婚式でこちらを使うとか。

image

こちらは大樋焼というモンだそうで。

image

文化勲章を取った大樋長左衛門氏、年雄氏の二名しか現在作品を作れる作家がいないとのこと。 陶器なのに轆轤を使わない手法はかなり貴重な焼き物ということで、茶道の世界では希少価値を買われていて、茶器とかでも2、3年待ちなのだそうです。

image

こちらは加賀が誇る九谷焼人間国宝徳田八十吉氏の彩釉鉢。 九谷焼らしい鮮やかな色合いが特徴の鉢です。 が、今回いろいろと説明を聞いて、今さらながら陶器と磁器の違いがよくわかりました...(^^;)ハハハ。

image

こちらは能登が誇る輪島塗。三谷吾一氏の作品。こちらの方も文化功労者ということだそうで。 伝統工芸の輪島塗に現代の技術を加えて、これまで輪島塗には無かった色を天然鉱石を用いて発明している現在進行形の作家さんです。

image

石川県下には刀鍛冶の職人さんもいらっしゃるようで。 こちらも人間国宝隅谷正峯氏の作品。 大嘗祭の時に使う刃を落とした日本刀です。大樋焼

image

こちらは戦後間もない頃に先々代の女将がお召しになっていた着物とのこと。 写真の色合いだけだと白と黒のモダンな感じですが、見えないところがスゴイのです。 白の部分には金糸が、黒の部分には銀糸が折り込んでアリ、光の加減によってキラキラと輝く趣向が施されています。 また、着物の模様も当時の国内では珍しい、アラベスク模様をモチーフにしているとか。伝統とモダンが融合した作品です。

image

こちらと下の2枚の絵は加賀友禅。由水十久氏の作品。 この作家さんけっこうお茶目な性格らしく、オーダーしていないのにオモシロいからといって余計なことをしてしまうようです(笑) 例えば、この弁天様を描いた友禅ですが、弁天様の頭の上にちゃっかり鳥居が載っかってます。ティアラ替わりに付け加えといた!とのことで(笑)

ここでも、プチトリビアが! 鳥居って、祭られている神さまが男性神か女性神かで形が違うってご存じでしたか? 普段気にせず括り抜けてる鳥居ですが、男性神の場合は横に二本ずつ飛び出しているんですが、女性神の場合は一本ずつしか飛び出ていないということです。

弁天様は女性神なんで、頭の上の鳥居もちゃんと一本ずつしか飛び出てませんよね? 後有名な女性神というと伊勢神宮!こちらは天照大神を祭っているんで、この友禅と同様に一本ずつしかでていないとのこと。

ちなみに金沢に帰ってきて、家の近くの神社の鳥居をチェックしたら、菅原道真を祭っているんで、鳥居は上下二本飛び出ていました(笑)

image

こちらは恵比須様。 ちなみにこの2つの絵はそれぞれ2階の大浴場の男湯、女湯のサインにもなっています(笑)

image

そして、1階ラウンジへ。 こちらにも伝統工芸が施されています。 ラウンジの窓際には端から端まで天女の舞の輪島塗が。 こちらは角偉三郎氏の作品。

image

ラウンジに置かれているグランドピアノも輪島塗だったりします。 裏側にもびっしりときめ細かい金色の線が引かれて、輝いています。

image

最後にまた加賀友禅。百貫俊夫氏の作品。 加賀友禅の特徴に色使いとぼかしという技術があるとのことなんですが。

image

この花を描くところに加賀友禅の技術の粋が詰まっていると、詳しく説明してもらったンですが、残念なボクの脳味噌はそこまで消化できるキャパシティを持ち合わせておらず、忘れてしまいました...(^^;)ハハハ。

image

そんなこんなの石川県の伝統工芸を巡る小一時間。 いろいろと説明を聴いて思ったのは、この加賀屋さんの館内を彩る伝統工芸品は、昔々の古美術ではなく、今を生きる伝統工芸であるということ。 温故知新でも無く、今の作家さんたちによる伝統工芸の技術を用いた現代の美術であるというところに、石川県の文化振興の奥深さを感じます。

軍事の技術、お金を民生の技術、お金に転用し徳川300年の歴史を生き抜いた加賀百万石の前田家。 徳川の治世でいち早く、文化振興にその政治の舵取りを切り替えた前田家の文化振興策を根っこに、と思ったところイヤイヤ待てよと。 それ以前に、織田軍団北方方面軍を率いる柴田勝家やその与力である前田利家が加賀、能登を制圧するまで100年近く一向一揆がこの地を治めていた頃から、そもそもこの地域の民衆には地力との言うべき力が備わっていたからこそ、前田家による文化振興政策が花開いたのでは?

なぁ〜んてなことを思ったりもするのです。 それが現代まで継続して今の作家さんたちによって引き継がれている石川県の文化振興が力強く地域に根付いているンだなぁ〜と、この地域の特色を改めて感じました。

そんなことを思わせてくれた、面白可笑しく漫談調に説明してくれていたお爺ちゃんがなんとっ!? それは次回のエントリーに続きます(笑)