♀×1と♂×3のお話


「恋は下心、愛は真心」とは先人が残した言葉であるが、どちらが上か?なんて粋ぢゃないことは言いたくはない。

むしろ、ボクはこの言葉通り受け取っている。
思春期を迎えてから20代で遊び疲れるまで、健全な男の子にとって下心こそが恋の推進力になるものなのだッ!!!
「恋心」から下心を取ってしまったら「亦心」になってしまうではないかッ!?
どぉ〜いぅ意味だ?亦心って!?!?
と、HOTDOG PRESSのSEX特集で思春期を過ごした世代のボクは骨の髄までそう思っていた。


もう、ボクはヲヂさんなのかもしれない。
そう自ら納得させなければならなくなりそうな光景を身近なところで垣間見たのである.........。



この春、うちのマンションに学生さんと思しき女の子が引っ越してきた。
おそらく、うちから自転車で10分かからない距離にある某6大学のひとつに入学した娘さんであろう。
これからの学生生活はあ゛っ!?というまです。後々後悔しないように充実した日々を過ごしてください!
と、心の中で新たな生活を応援したボクなのである。

ゴールデンウィークも過ぎ、しばらくするとこの娘さんが一人の男子と仲良く自転車を並べて帰宅する姿が見受けられた。

ボクは普段ベランダでタバコを吸っているので、マンションの前の光景が丸見えなのである。

そんなボクの姿に気付いているのかいないのか、人目のはばからず二人は自転車を降りて、玄関先で立ち話をしている。
ボクはさっさと部屋の中に入ってしまったが、30分位して外を見るとまだ話している......。

相手は般教のクラスの男子であろうか?サークルの男子であろうか?
この春先は新しい世界にワクワクして、周りのざわつきがさらにそれを冗長させて、ボクも下心がビンビンであったもんだ...(遠い目)
女の子も家にまだ上げないというところが慎ましやかではないか!
下心を抑えつつどぉ〜やって一歩一歩彼女の心に近づくかが男子としては非常にスリリングな時期である。
この時はまだボクはそんな妄想に浸りつつ心穏やかに二人の様子を応援していたのである。


それからしばらくしてベランダでいつものごとくタバコを吸っているとまた自転車を並べて女の子を男子が送ってきた。
よく観ると、先日の男子とは違う男子である。
ほっほぉ〜娘さん、なかなかおもてになるではないか!
一見スタイルがよいというわけでもなく、ごくごく普通な感じなのではあるが、その普通なところが結構真面目に付き合いたい男子にはよいのだろぉ〜なぁ〜。
しかも、相変わらず家には上げず玄関先でまたもや30分から40分ほど話をしている。
ほんと、身持ちが固いというか...(^^;)ハハハ。
男子達よ!こういうタイプは焦らず一歩一歩攻略すべしっ!!
すっかり若人恋愛模様観察者のヲヂサンはどちらが抜け出すのか浮き浮きしつつ(笑)


またもや、前回の翌週のことである。
またまた別の男子と連れ立って帰宅する娘さん。
今回はボクのうちのベランダの真ん前でお喋りが始まる......。
いわゆるゆとり世代の特徴として半径2m以内、ようは自分と話している相手の距離内だけが世界でその外側はいっさい認知外にあるといわれるが、まさにそれを実感したのである。
ボクは明らかにタバコを燻らせているのだ。タバコの煙も二人の方に流れていったりすることもあろう。しかし、男子も女の子も一切こちらに視線を向けようとしない。
目の前に人がいるのが解らないのだろうか?
この排他感覚はボクには理解できない。
まぁ、そんな距離だったんで男子の下心ハァ〜ハァぶりがその表情から明らかに伝わって来るのである(笑)
もう、ジーンズの中心部分は痛くてたまらなかったことだろう。
しかし、ここの女の子はやはり家にはあげない。いくらこの日の男子が踏ん張って家に上げてよオーラを体中から醸し出していても上げることはなかった。
40分ほど経ってこの男子も気力が萎えたのか、一人シコシコと自転車のペダルを漕いで帰ったのだ。


このあたりになってだんだんこの女の子に疑問が生じるようになってきた。
当初は今どきなんて慎ましやかな婦女子なんだろぉ〜と感動していたものの、ここまで3人の男子に送られるように脇が甘いのか、計算付くで手玉に取っているのか、どぉ〜も後者のような気がせざるを得ないようになってきたのである。
むしろ、女子の本懐として部屋で冷たいものを出してあげるくらいの気遣いも必要なンぢゃねぇ〜のっ???と。


大学も試験が終わり夏休みに入ったらしき頃、今度はいままでと違う光景を目にしたのである。
なんと、自転車に2ケツして送られてきたのだ。
その後は玄関先で2ケツしたまんま背中と背中をべったりくっつけて、ホワホワホワァ〜ン!モードである。
いままでの3人の中の男子なのかまた別の男子なのか判別がつかなかったが、背中合わせは男子としてはたまらンだろう!
下心は暴発寸前のはずである。

天津木村風に吟じれば、
「女の子と2ケツして自転車で家まで送ってぇえぇ〜〜えぇ〜えぇ〜〜〜
 突然背中と背中を合わせてくっついてこられたらぁ〜〜あぁ〜〜〜
 なんだか今日イケそぉな気がするぅ〜〜〜〜⤴」

としか、ごくごく普通の健全な男子であれば思えないであろう?それ以外の展開がどこに存在するのですか?神様??とっ!

しかし、女の子はまたもやそのまま3、40分話したまま一人自分の部屋に戻るのである.........。

ありえない、こんな展開!どこまで純情であるがゆえに下心に塗れた男子の心を弄べば気がすむのですか!
この世に神様は居ないのですか
海は死にますか 山は死にますか
風はどうですか 空もそうですか
おしえてください

この不条理な光景を前にボクは心の中で防人の詩を歌わざるを得ないのであった。


そして、もうボクちゃん断固男子の不甲斐なさ加減を確信したのが一昨日の晩の出来事だったのだ。
寝る前に一服しようとベランダに出ようとすると視界に1台の自転車が入って来た。
...いやな予感がした。しかし、いつものような2人の立ち姿はみえない。

あれ?と思っていたら話し声だけは聞こえてくる。
ナンぢゃと思いベランダから身を出そうとしたら.........。
二人玄関先に座り込んで、しかも男子が後ろから女の子をハウ゛ゥ〜〜ンと両手を回して抱え込んでいるではありませんかっ!!
これ、も゛ぉ〜だめでしょ?一人の女性としても。
玄関先まで送らせておいてここまでゆるすなら、恋愛以前に普通の常識があれば部屋まで上げるべきでしょ?
夜になっても今の時期はまだ暑いんだから冷たいアイスコーヒー一杯くらい出してあげるってのが優しさってもんでしょぉ〜??
男子も男子で、もぉ〜下心全開にしちゃいましょぉ〜よ?
ここで入り込まなかったらどこできっかけ掴むつもりですかぁ??
ヲヂサン歯がゆ過ぎて眠る気なくなっちゃうではないですか???

んで、いつものように3、40分すると男子だけすごすごと帰っていくわけです......。


一昔前に環境ホルモンの影響とか急にブームになって男子の性能力が低下しているとかなんとかってことがまことしやかに言われましたが、身体的な事以上に男子ならではの下心ってどこにいってしまったんでしょうか?
下心があってこそ、恋も花咲くもんであろぉ〜に。
こな風に上京したての普通の女子に何人もの男子が手玉に取られるとは.........。
ヲヂちゃん嘆かわしぃ〜〜次第なのです(T^T)




母さん、男子の下心はどこにいってしまったんでしょうねぇ?
そう、あの好きな女の子を見るとチンチロリン!となってしまうあの下心ですよ.........。

ジョー山中もきっと泣いています......。