自他共に認めるガジェット好きであり、もはやヘンタイの域でもある文字フェチのボクであるが、どんなガジェットでも真面目にトリセツを読み込むという習性を残念ながら持ち合わせていない。
なので、せっかく購入したガジェットもハァ〜ハァ〜しつつ、感覚的に使いながら覚えていくのが常である。
素直なガジェットであれば、そのまま気持ち良く使い続けられることも出来るが、なかには一筋縄ではいかないモノもある。 となると、トリセツ読めばいいのに、あぁ〜でもないこぉ〜でもないと弄り倒しながら、無駄な時間を浪費するのである...(^^;)ハハハ。
今回のエントリーはそんな自分のへの戒めのために後世に残しておくモノである。
先日のエントリーの通り、今やフィルムカメラの世界に足を踏み込んでしまったボクは、自分よりも年上なクラシックカメラ、OLYMPUSのPEN EEDを入手したのである。
このPEN EEDは完全機械式ではなく、絞りをAUTOに設定すると電池を使用してプログラムシャッターが作動する。 AUTO以外に絞りを合わせるとシャッタースピードは1/15秒に固定されるのである。
また、光量が足りないときはファインダー内にニョロッと赤ベロがでてきて、シャッターが押せなくなるという仕様になっているのだ。
この程度情報は購入以前にネットで調べた際には心得ていた。 が、いつものコトながらざっくりと心得ていただけで、ロジカルに理解したわけではないのがボクの悪いくせである。
PEN EEDを手にしてハァ〜ハァ〜がMAXの時に、絞りをAUTOに合わせてリビングのライトにレンズを向けるとニョロッと赤ベロが出てくる。 ほっほぉ〜これは事前情報によれば光量が足らないということか!と絞りを開放のf1.4に設定する。すると赤ベロは出ず、シャッターが切れたのである。
なるほど!売り主さんが電池も入れてると言ってたし、シャッターも切れたしコレで万全ではないか!!
とボクは胸を張ってこのPEN EEDをバッグに忍ばせて、日々試し撮りを重ねたのである。
以降はその結果である。 ボクはまだこの時点では気づいていないのである。 事前の中途半端な情報だけで判断し、電池は入っているんだから稼働しているという思い込み(半世紀以上経っているクラシックカメラと電池を入れれば動くという今のカメラの違いがわかっていない)とAUTO以外に絞りを設定するとシャッタースピードが1/15秒に固定されてしまうと言うことをすっかり忘れて撮り続けた結果である...(^^;)ハハハ。
これはまだましな方。 夜に室内灯の光量で撮った花壇の一枚。 露出オーバー気味ではあるが、まだまし...(^^;)ハハハ。
こちらは池袋ルミネ口のエスカレーターを上がったところにある像。 これも夜である。 まぁ〜半世紀以上前のカメラだし、ハーフサイズカメラだから写りはこんなもんなのかと勝手に納得していたのである。 まだ、自分の落ち度が解っていない。
こちらはルミネ口の間接照明を撮ってみたモノ。これも夜である。 コントラストが甘いけど、でも半世紀&ハーフだからなぁ〜まぁ〜雰囲気モンということでよかろうと。 今思うと、ホント知らないって怖いことだと思うのである...(^^;)ハハハ。
ルミネを出て外から硝子窓の映り込みをパシャリ。 このPEN EEDは目測で距離を設定しなければならないんで、その感覚を身体に覚え込まさないと難しい。 この一枚は、距離の問題だと勝手に納得させていた一枚である...(^^;)ハハハ。
こちらは池袋駅西口駅前広場のふくろう。 見ての通り夜である。 なかなかちゃんと写るぢゃん!写ルンですくらいには写るのね!と勝手に納得していた一枚。
そうなのである。 まだ根本的な問題に気付いていないこの時点でのボクではあるが、このPEN EEDはf1.4でシャッタースピード1/15秒の設定でもこれくらいの光量であればしっかりと写るのである。
お気づきの通り、ここまでの最初に撮ったロケーションはすべて夜だったのだ。 なので、まだ露出オーバーな設定であるにもかかわらず、それほど失敗という感覚を持たなかったのである。
問題は日中帯に写したときに発生する。
池袋西口のコインロッカーの通路。 出来上がりを見て、うわっ!?ボケボケ??でも、雰囲気出すにはいいんじゃない?と勝手な納得...(^^;)ハハハ。 おそらく今だからこそこれをみると、単に露出オーバー&目測での距離設定間違いの失敗作でしかない...(TT)涙。
こちらは雰囲気ありそうなお店の一枚かと思いきや、池袋駅地下通路の写真をパシャリ。 狙ってこういう作りにするならばいいかもしれないが、これもコインロッカーの写真と同様で、ただの露出オーバーの失敗作である。
木陰の中から光源に向かっての一枚。 虎ノ門交差点の虎の像である。木陰の中はかなり暗めだったんで、虎さんも真っ黒に見えたがけっこうちゃんと写っている。 が、バックは当然のことながら白飛びしまくり。 でも、この時点のボクはこいつ意外と撮れるぢゃん!とムフフとしていたのである。
とは言いながら先ほどの虎さんの一枚が入ったフィルムの仕上がりを見て、若干ひょっとして露出オーバー気味??と気付き始めたボクは、絞りを絞り込むことが頭を過ぎるようになった。
まずはf1.4のままの一枚。 いつものうちの小春さんを連れてのネコ歩きの最中の一枚。 案の定、ただの露出オーバーである...(^^;)ハハハ。
この時ちょっと考えるようになったボクは絞り込んでの一枚を撮っておいた。 f4.0くらいに絞ったモノ。でも、シャッタースピードは1/15秒固定である。 結果、まぁ〜まぁ〜な仕上がりになっている。
こちらは日の当たるところから、木陰に向かってさらに絞ってf8.0くらいの一枚。 木陰の黒白ネコさんに距離を合わせたんで、手前のうちの小春さんは前ボケ。 こんな感じにボケるのねと理解した一枚。
こちらはf4.0に戻しての木陰のキジ白ネコさんの一枚。 もう一段絞ったくらいの方がよかったかも。
日中帯のちょいと暗めなところで、池袋の西口と東口を繋ぐWE ROADの中の一枚。 これは露出というよりも距離を間違えた一枚。どうも、目測で距離を測り、その距離を設定するというピントの合わせ方が、他のカメラと違うんであ゛っ!?と思ってシャッターを切るときについつい距離設定を忘れてしまうのです...(^^;)ハハハ。
2本ほどフィルムを使ってなんとなく夜or日中、室外or室内で絞りを変えた方がイイらしい。室内や夜の方が写りが良いかも?くらいに理解をし始めたボクなのです。
こちらは我家のフォトジェニック、フィルムの試し撮りモデルのうちの小春さん(笑) こちらも露出というよりも、もっとちゃんと距離を考えて撮ればしっかりと写ったかも...(^^;)ハハハ。
こちらは見返り美人なうちの小豆さん。 f1.4、1/15秒でもこれくらいには写るのです。室内で写ルンですで撮ったプリントとたいして違わない感じ。
こちらは、通勤路に咲いていた紫陽花。日中帯のしかも朝の強い光を背に浴びての撮影だったんで、もぉ〜露出もクソもありません...(TT)涙。 色すらちゃんと出ていない...(^^;)ハハハ。
このあたりの仕上がりを見て、やはりコレでは日中帯にPEN EEDは使えないではないかっ!? どこかおかしい!?!?とよぉ〜やく気付いたのでございます。 というか、気付くのが遅すぎる...(^^;)ハハハ。
今度はしっかりとボディを点検。電池室を初めて明けると電池は入っているモノの、電池室の大きさと全く異なり、どう考えても電池が動作しているとは思えない有様。
このPEN EEDで使用するMR-9という水銀電池はいまは国内では生産されておらず、かわりに同じ電圧のSR43をMR-9の大きさにするアダプタを噛まして使用するとのこと。
さっそくアダプタ購入です。入れます。 そこでフト大事なことに気付くのです。 あ゛れっ!?初めて手にした時にAUTOからf1.4に絞り込んで以来、AUTOに設定して写したことがなかったのです。 あのタイミングで、AUTOで赤ベロが出たことの意味をちゃんと理解していれば、こんなに遠回りする必要はなかったことでしょう。
AUTOで赤ベロの時点で、プログラムシャッター作動のための電気系統になんらかの異常があるということなのだ。 その時点で電池だけの問題なのか、本体の電気系統の問題なのか、もっとちゃんと調べるべきだったのである。
今となってはちゃんと調べるボクなのである。 すると、ネット上にも事例がゴロゴロころがっているではないですか。 さすがに半世紀以上前の機種なので、電池室の裏側の配線が腐食して切れている事例が多々見受けられる。
しかし、そこはクラシックカメラ。今のようなCPUが入り込み電気系統というよりも電子部品が詰め込まれたカメラと異なり、機械工作レベルで直せるとのこと。 といっても、ここで自分でやって全部部コワしても元も子もないんで、これは専門家にまかせることに。
ちょうど良いタイミングでPEN EEDの修理事例も載っていたんで、ボクのPEN EEDもこちらでお世話になることに。 がっ!?最近修理需要が高まっているということで、修理待ちカメラが列を成しているらしく、全治四ヶ月なのでございます。
全治四ヶ月ともなると、戻ってくる頃には夏も終わってしまうなぁ〜と思いながらも、でもせっかくの気軽に撮れる機種なのにいちいち光量と露出を合わせながら撮り続けるのも意味が無いし、ちゃんとAUTOで撮れたときの仕上がりを見てみたいんで、修理に出すことに。
秋にまた会いましょう!それまでしばらく入院していてください<PEN EED