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“TEAM H末端構成員”が妄想と現実の狭間で戯れます。

『僕らのパソコン30年史』SE編集部 読了!☆☆☆

僕らのパソコン30年史 ニッポン パソコンクロニクル

今さらながら思い返すと、ボクとコンピュータの出会いは意外と古い。 ボクとコンピュータの出会いは今思うとボクらしく本屋さんであった(笑) 当時毎週土曜日の夕方に剣道の道場に通っており、その帰り道に寄り道して本屋に寄って帰っていた際に、一冊の本が目にとまったのである。

題名は忘れてしまったが、表紙には基盤剥き出しのボード一枚。 そこになにやら赤いLED。 未来である。得体が知れないのである。なにやら得体の知れないヤツなのである!

当時ボクはまだ8、9歳だっただろうか。その頃ちょうど学研の電子ブロックにハマっていたのだ。 電子ブロックでラジオを作ったり、よくわからない計測器を作ったり、それが昂じてなぜかアマチュア無線の免許トルのだっ!ムフゥ〜と息巻いていた時期なのである。

そんな電子部品にハァ〜ハァ〜していたアホガキのボクにとっては剥き出しの基板にゲジゲジがいっばい刺さっているこの本の表紙がたまらなかったのだろう。 まだ、『パソコン』という名称は無く『マイコン』と読んでいた牧歌的な時代たった...(^^;)ハハハ。
いまになっていろんな情報を総合すると、その本は当時発売されて一部マニアで盛り上がっていたNECの『TK-80』に関する本だったはずである。

道場の帰り道のたびにその本屋でTK-80の本をつまみ読みしながら、なんとかして親に買ってもらえはしまいか?と無い頭をこねくり回すのだが、なかなかイメージがつかめない。 なにせ、その本を読んでもTK-80でなにができるのかが全く解らないのだ(笑) どういうモノなのか説明も出来ないのに、親に買ってもらえるワケが無い。

以後、ついに説明にいたることもできず、かといって野望は捨てきれずに解らないながらもその後創刊されていくマイコン雑誌を立ち読みしながら情報だけは溜めていくのである(笑)

そうこうするうちに時は80年代に入り、密かにマイコン熱は微熱程度に持ち合わせていたボクが初めて触ったパソコンが、近所の電気屋に陳列されていたNECの『PC-6001』だった。 この頃にはボクは中学生になっていた。 おそらく親に連れられて入った電気屋でキーボードが付いた触れるPC-6001を目にしたのであろう。 翌日開店時間とともにその電気屋に突入し、PC-6001のスペースを占拠。 初めて触れる夢のようなパソコン(この頃にはマイコンからパソコンと新しい言霊が与えられていたのだ)を前に小学生のクソガキ以来の野望がメラメラと沸き立ったのである。

が、とりあえずPC-6001は占拠したモノのなにが出来るのかが相変わらず解らない。 未来である。得体が知れないのである。なにやら得体の知れないヤツなのである! ムフゥ〜〜〜ッ!!!と鼻の穴を膨らませていると店員さんに操作ガイドのようなモノを渡され、それを貪り読んだ記憶がある。 なにやらプログラムといわれる、日本語じゃ無い言葉が必要であると。 BASICとやらの書かれたプログラムをキーボードで打ち込まないと、このパソコンなるモノは動かんと...。 鼻の穴が膨らみすぎてもはや過呼吸にならんとしているボクは、タダひたすら操作ガイドに書かれているBASICプログラムを打ち込んだのである。 そして、実行すると『Hallo!』の文字が左から右へスクロール。 .........アゴが外れた。 なんなんだこいつはっ!?なんやらわかんない記号を打たせて、出来ることといったらそんなもんかっ!!おまえのポテンシャルはそんなモンなのかっ!! と当時までコンピュータの在り方そのものがわからんボクはそのへなちょこぶりにいきり立ったのである(笑)

そんな衝撃的なPC-6001との出会いではあったが、マイコン誌はいつのまにかパソコン誌というモノに衣替えをしており、各社からホビー向けのパソコンが次から次へと発売されていった。

中学時代の同級生はボンボンが多く、何人かは当時の8ビットパソコンを買ってもらっている輩がいた。 西にシャープの『MZ-80』を持っているヤツがいると聞くとそいつの家に押しかけ、カセットテープのロードを目の前にしてお゛ぉ〜〜〜文明の進歩だっ!!と目頭を熱くし。

東に富士通の『FM-7』を買ったヤツがいると聞くとそいつの家に押しかけ、フロッピーディスクなるモノを目にして、こいつぁ〜未来ぢゃぁ〜〜〜っ!と失禁し。

そんなこんなで、このまま理系の道を突き進むのかと思えば、思春期を迎えてすっかりチャラい路線にのめり込み、大学時代には一般教養の『コンピュータ概論』の単位を落とすというレベルまでド文系の凡人に成り下がったボクが、なぜIT屋さんに就職したのかはいまとなっては謎である。

そんなパソコンというプラスチックのなにもしなければただの箱に、夢と希望に充ち満ちていた当時を思い起こさせてくれたパソコンの来し方に関する歴史を纏めてくれた本書は当時のパソコン少年には目頭が熱くなる本である(笑)