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“TEAM H末端構成員”が妄想と現実の狭間で戯れます。

スマホならではの音楽ストリーミング機能、Spotify Running!

Running in the square

音楽というモノは、他の映像やテキストといったコンテンツと比べて圧倒的なアドバンテージを持つコンテンツである。 音楽コンテンツには他のコンテンツと違い、『ながら』で楽しめるという性質があるからである。 この『ながら』コンテンツでもあるという特性を活かすことは、昨今広がりを見せている音楽ストリーミングサービスでの利用者獲得の一つの肝である。

これまで長年、個人個人で所有してきたライブラリを雲の上のクラウドに置き換え、『所有』から『利用』へ音楽愛好家の意識を促すためには、個人ではとても実現できない、圧倒的な処理能力を持つクラウドを前提とした各種分析・解析によるパーソナライズが必須である。 雲の上のライブラリはとても一人の人間がすべてを把握するには多すぎであり、逆に利用をためらってしまいがちである。利用してもらうためには道標となるパーソナライズ機能が不可欠なのである。

現時点において、SpotifyApple Music、Google PlayMusicといった海外系サービスも、KKBOX、AWA、LINE MUSICといった国内系サービスも、どれもみな利用者の嗜好を元に、各種プレイリストやアルバム、アーティストのレコメンド機能は最低限備えている。 中には、時間帯を考慮したプレイリストのレコメンドや、同じ趣味嗜好を持つ利用者同士のプレイリストの共有機能など、大きすぎるライブラリの中を泳いでもらうための道標を取りそろえることで、利用者を離れさせない工夫を切磋琢磨している感がある。 現時点において、Spotifyを除いてサービス開始されている音楽ストリーミングサービスの中で、どれがいいか?ということになると、結局この道標たるレコメンド機能が、どの音楽ストリーミングサービスのモノが自分の嗜好に合っているか?が一番の肝になるのではないだろうか。 国内サービスも、サービス開始から一年が経とうとしている現時点において、どのサービスのレコメンド機能が優れているかどうかは、ほぼ差がない状態である。となると、あとはどこが自分の趣味嗜好にあっているか次第ということになるだろう。

そんなどんぐりの背比べ状態の中で、やはり一歩先を行っているのがSpotifyである。 現時点において、邦楽はほぼライブラリに収録されていない状態なので、邦楽重視な利用者には対象外であるが、やはり音楽ストリーミングサービスという面では一日の長がある。 Spotifyを利用するようになって、かれこれ3か月。 洋楽限定ではあるモノの、自分の趣味嗜好に応じたレコメンドという面ではかなり擽られるものがある。 時間帯ごとに提示されるものが変わるプレイリストやアルバム、アーティストのレコメンド機能はもちろんのこと、以前も紹介した週一で月曜日に配信される自分専用のプレイリストであるWeekly Discoverの内容は秀逸である。 当然、ダイレクトに趣味嗜好にあった曲もあるが、重箱の隅をつつくような変化球もあり、新たな音楽との出会いを毎週もたらせてくれる。 この観点からの利用者確保という面では他の音楽ストリーミングサービスもそのうち追いついてくるだろう。Spotifyはさらに『ながら』視聴の領域に対してもいろいろと実験を始めている。

すでに一年前の話であるが、当時Spotify

  • Spotify Now
  • Spotify Running
  • 動画、オーディオショー、オリジナルコンテンツ

という3つの新サービスを打ち出していた。 最初のSpotify Nowはこれまで何度も触れてきたレコメンド機能に対する強化と、よりリーチしやすくするためのインタフェースの向上である。これはこの3か月間十分堪能してきたものだ。 最後の動画、オーディオショー、オリジナルコンテンツは正直あまり期待してい無いンで利用したことがない...(^^;)ハハハ。 残りの真ん中、これまで時間や気分に応じた音楽を提供してきたSpotifyが、利用者の『ながら』視聴可能な行動にターゲットを絞り、積極的に『ながら』を促すためのサービスである。 『ながら』するには一番手っ取り早いモノが、ランニングをはじめとするワークアウトの時間であろう。体を動かすリズムと音楽のリズムというモノは親和性も高く、ワークアウト中に気分を盛り上げるために音楽は十分必要とされるモノだから。

この記事を見て、Spotifyにアカウントを作ったものの、すでに公式に開始されているにも関わらず、ボクのアカウントにはこの機能が提供されていなかったのだ。 なので、しばらく忘れていたのだが、先日iPhoneSpotifyを弄りながら家に歩いて帰っていたら、ブラウズメニューの『Running』というアイコンが目に留まり、中を覗いてみるとSpotify Runningの機能がどうやら提供されていたのである。

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気分や環境に応じたプレイリストが提供されるブラウズメニュー。ここにSpotify Runningの機能が提供されるRunningのメニューとワークアウト用プレイリストがレコメンドされるワークアウトのメニューがあります。

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Runningの中身を見てみると、『ランニングを開始すると、走るテンポに合わせて音楽が調整されます。』と。 これはどういうことなんだろう?テンポに合わせて曲が変わっていくのか、同じ曲のテンポが変わっていくのか?? なかでも気になったのが、『あなたにおすすめ』のプレイリスト。『あなた専用のRunningプレイリスト。』とあります。

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Runningにはどうやら2つの機能的なポイントがあります。 1つ目はRunkeeperとの連携。 2つ目は『Running用の完璧なミックス。お好みに合わせて曲をチョイスしました。さあ出発』と(笑) すでにボクの趣味嗜好に合わせて曲がチョイスされているとのこと。アカウント作ってすぐにSpotify Runningの機能が見当たらなかったのは、この辺の利用者の趣味嗜好を分析した上で、提供ってことだったんだろか?

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テンポを図るための各種センサーの制御はRunkeeperと連携して収集するってことですかね。Runkeeperは以前使っていてそのままiPhoneに残ってるんで、そのままトラッキングオンにします。

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するとこんな画面になって、テンポを計測し始めます。ただしこの日のボクは職場からの帰宅途中。しかも、テクテクとただ歩いているところなのです...(^^;)ハハハ。 Spotify Runningもウォーキングは想定していなかったのか、なかなかテンポ測定が終わりません(笑)

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次にどうなるのか早く知りたかったんで、途中でスキップすると突然曲が始まりました。 レコメンドされた1曲目はZZTOPの♪Rough Boy♪。確かに好きなアーティストだし、好きな曲。ボクの趣味嗜好に合ってます。さらにランニングではなくウォーキングだったンで、テンポもスローでどんぴしゃっ!?

これぞリアルタイムでテンポを計測してクラウドに情報を上げて、即座に利用者の趣味嗜好とテンポに合った曲を提供するという、クラウドライブラリ前提の音楽ストリーミングサービスならではのサービスです。

こういった、利用者の行動に応じた『ながら』視聴可能な領域を今後もSpotifyは広げていくことでしょう。 これって、Spotify社自身は音楽コンテンツを提供しているのではなく、音楽コンテンツを中心に置きながらも、利用者体験(UX)を提供しているという発想だからこそなのではないかと。

となると、心配なのが国内系の音楽ストリーミングサービスあれこれ。おそらく国内音楽産業のメインプレイヤーはCD売上の下落の代替手段としてのダウンロードサービス、さらには黒船対抗のための音楽ストリーミングサービスという観点でしか考えていないのでは? となると先々の安定した利用者の確保とかいう面では先細り感が否めないのです...(^^;)ハハハ。

そんなこんななSpotify。これまで紹介したSpotify関連のエントリーは以下の通り。