SAY SILLY THINGS!

“TEAM H末端構成員”が妄想と現実の狭間で戯れます。

コロラドでYou See Me Crying♪

Sad Danbo

イヤホンから流れてきたAEROSMITHの“You See Me Crying”とともにボクの脳内空間は高校時代にフラッシュバックしていた。

You See Me Crying カテゴリ: ロック

 

その頃、ボクは完全無欠のHARDROCK少年で、なかでもAEROSMITHを神と崇めていた。特に好きなアルバムは大ヒットした“ROCKS”ではなく、その前作“Toys In the Attic”。 “ROCKS”は確かにHARDROCKの名盤だけど、音の厚みに隙がなさ過ぎで、当時のボクにとっては“Toys In the Attic”の隙だらけのRock’n’Rollの方が気分に合っていたのだ。 だからおそらくその時も“Toys In the Attic”をWALKMANから流していたんだろう。

とはいえ、フラッシュバックに写った駅前の喫茶店コロラド。そこでボクはナニをしていたのだろう? 駅前とはいえコロラドは隣の隣の隣町の駅前である。電車で20分くらい離れたところだ。 その町には当時なぜかボクがなかなか友だち離れできない女子が暮らしていた。 毎週どころか年に何回も会うワケでも無いその娘のいる町にボクはわざわざ出向いている。 思い返すに、日本シリーズセリーグパリーグどちらが勝つか賭をしてボクが勝ったのであろう。

どういうワケか年に一度のこの賭けごとを中学の頃からボクは続けていた。 別に西武ファンでも何でも無いが、小学生の頃に西武ライオンズが結成されて、埼玉県民の従兄が夢中だった頃から、特になんも考えずにボクもファンなテイでいただけのことである。 この時期はたしか、西武ライオンズは森監督の時代で連戦連勝を続けていた。ボクは西武ライオンズパリーグ優勝した時は賭け毎を持ち出し、そしてこの年におそらく西武ライオンズが日本一になったのだと思われる。

そして勝ったボクへのご褒美は『デート』。 日本シリーズでデートを賭けにするって、今思い返すとナニ考えてんだ?このクソガキのオレ??と思うが、当時はこの娘と会うための口実があればなんでも良かったのである。 この娘とは付き合っていたわけではない。でも、教室ではよく話していたし、簡単にいってしまうと気が合う女友達ということで片付いてしまう間柄だ。 この『気が合う』というのは当時の桃色少年から脱していない男子にとっては、なかなか質が悪いモンでもある。特に趣味の嗜好性とかがいくつか重なるとなかなかその関係性から抜け出せなくなるのだ。

なので、中学高校とこれは恋なのか?そうなんか?男女の恋愛っちゅうもんなんかっ!?と壮大な勘違いをもようして何度も撃沈を喰らった。高校ではそれぞれ別の高校に進み、ボクはボクで男子校などと世の理から隔離された不健全極まりない環境に身を置いたので、さらに思いが純化して暴走したのであろう。 こんな何度も撃沈を喰らっていたにも関わらず、この娘とはなんらかの連絡を続けていた。 桃色少年のこのバイタリティー溢れる厚顔無恥さ加減といったら、今となっては羨ましい限りである。

最早、のどに刺さった魚の小骨のような恋である。気にしなければやり過ごして、忘れているウチに取れて無くなってしまう魚の小骨。でも気にし出すとその小骨の存在感は揺るがない(笑) そんな関係性の娘とおそらく駅前の喫茶店で待ち合わせかなんかしたのだろう。でも、そこで無事に会えたのか会えなかったのかの記憶が無い。フラッシュバックした脳内のボクはAEROSMITHの“You See Me Crying”を聴いて我が身の青春ぶりに一人で感動しているのだ。 一人遊びが出来てしまう妄想癖のある独りっ子の困ったところである……。

しかし、『気が合う』ということは当時では質が悪いと思う反面、今となってはなかなかありがたいモンだ。こんな友だち関係でも、今だに話が合うというのは、この歳になってあらためてありがたい。今後ともよしなにm(._.)m

ぼくが青春小説、特にヲバカな高校生活を送る主人公の成長物語を読むとどっぷりその世界に染まってしまうのは、少なくともボクの失われた灰色の高校生活と重ね合わせて世界観を共有しているからだろう。 小骨が刺さったような恋も、現実のお嬢様と間近で『お勉強』させていただくことになると、小骨はスルッと喉元を滑り落ちてしまうのである。桃色少年の心持ちなどそんなもんだ。 理性・感情よりも精巣に蠢く無限の精子の意思のなすがままなのである。

このお嬢様は高校三年の夏、まさにこれから受験勉強本番というタイミングで現れた。 2対1の組み合わせで受講していた塾でのボクの相方が塾を辞め、代わりにやってきたのがこの女子校のお嬢様である。

なにせ帰りがけに右斜め45度に腰を折り曲げて『ごきげんよぉ〜』と挨拶をするお嬢様である。これまでの人生の中でお嬢様というイキモノに遭遇したことのなかったボクには、当然のことながら免疫はなく、一撃で恋に陥るのである。 ボクはここぞとばかりに心を入れ替えて、受験に精進いたしますっ!と鼻息ムフゥ〜で世界史問題の小論文を書き上げたモノである。 桃色少年のモチベーションなんてそんなモンだ。 ムフゥ〜でチンチロリンな欲望の対象となるお嬢様が身近にいらっしゃれば能力以上の能力を発揮するのである。

そう、使われていない脳味噌を覚醒するのはムフゥ〜でチンチロリンなお嬢様なのである。 でも、人生に必要なのは気の合う女友だちなのだ。

Rocks カテゴリ: ロック
Toys In the Attic カテゴリ: ロック