自家製熟成インクその1
棚卸しなんぞやったためしが無いよぉ〜な街中の文房具屋の棚の奥底にヒッソリと収まっているインクボトル。
これらは、数十年比の目を浴びることなく徐々に熟成され、その色合いは深みが増し、ヴィンテージインクとして重宝されているという。
ボクが知らない世界がまたひとつ目の前に出現していた...。
きっかけは趣味の文具箱vol.1だった。
タイトルは「禁断の万年筆インク研究」。
そこには「混合」だの「熟成」だの魅惑的な言葉が踊っている......( ̄ー ̄)ニヤリ。
- 作者: 趣味の文具箱編集部
- 出版社/メーカー: エイ出版社
- 発売日: 2004/07/20
- メディア: ムック
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「混合」とは文字通り、ベースのインクに1色か2色加えて、色の深みや濃度を自分好みの色に変えることらしい。
「熟成」とはインクの水分を蒸発させてインクを濃縮させるとのことである。
なるほど、容器と勇気とセンスがあれば自宅で手軽に実行できるのである。
「混合」はさすがに直感を信じるか色の基本的な知識が無いと残念な結果に終わりそうなので、まずは根気があればできそうな「熟成」を試してみることにした。
なお、いちおうこの方法で出来上がったインクを万年筆に吸入したとしても、その行為はメーカーの保証対象外になるので自己責任でお願いします。けして、推奨するもんではありません。
さっそく、近所の100均ストアで口が広く低めのグラスを2個とガーゼ、ゴムバンド2個1組を購入。
インク以外に必要なのはこれだけである。後はヂッと時間との勝負のみ。
まずは、記事の中にもあったモンブランのロイヤルブルー。それと先日情報カードで作成した我が家のインク色見本を眺めながら、色合いが薄くてあまり出番がなかったプライベートリザーブインクのパープルヘイズ(Purple Haze)。
この2本を「熟成」してみることにした。
先週の土曜日に容器に仕込み、ほぼ1週間でこれくらいまで水分が蒸発した。
モンブランのロイヤルブルーはほぼ2/3くらい。
趣味の文具箱でも2/3熟成の例が掲載されていたんで、これくらいにしておこう!
プライベートリザーブインクのパープルヘイズはもともとの容量も少なかったので1/2くらいまで熟成してしまった...(^^;)ハハハ。
でも、これもモトが薄いからちょうど良い案配なのでは?と2つとも引き上げることとした。
こちらがモンブランロイヤルブルーの2/3熟成インクの色合いである。
ちなみに比較できるように熟成前の色見本と重ねてみた。
やはり濃縮されただけあって、もとの色合いよりも濃い感じに仕上がっている。よりディープシーブルーのような色に近付いたというか。
ちなみに手持ちの色見本とくらべるとエルバンの忘れな草ブルーに少々藍色を強くしたような色具合である。結構いぃ〜かんじかも(*^^*)
これはプライベートリザーブインクのパープルヘイズ1/2熟成インクだ。
やはり半分になっただけあってかなり濃いめになった。
もともと薄過ぎた感があったので調度いい案配である。
というか、この色合いはかなり好きな色合いなのだ。
エルバンのヴィオレパンセの色がもともとお気に入りで、その色合いになおかつ少々青みがかっているところがヴィオレパンセ以上である。
こいつはてばなせなくなりそぉ...(^^;)ハハハ。
とまぁ、この週末初めてのエイジングインクの出来栄えにハァ〜ハァ〜〜してしまったので、さっそく次の熟成を始めたのでありました。
今度はペリカンのブリリアントブラウン。これは色合いが明るすぎる感じがあったので、も少し深みが出まいかと?ひょっとしたらドクターヤンセンのレオナルド・ダ・ヴィンチみたいにならんものか??と。密かに期待中。
も一つは伊東屋カクテルインクのアラウンド・ザ・ワールド。これも薄すぎて使いモンになりそぉ〜に無いヤツだったが、パープルヘイズと同様に濃縮したらいい色合いになるのではないか??と...(^^;)ハハハ。
そんなこんなで、インク弄りまでするよぉ〜になってしまった今日この頃......。
相方さんの冷ややかな視線に耐えながら日々1mm1mmと熟成されていくインクをハァ〜ハァ〜〜しながら眺めるボクなのです.........。