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久々の小説三昧

そんなこんなで、この5泊6日は食料調達以外に外を出歩く気もせず、かといって寝たら寝たで咳き込みまくってオチオチ寝てもいられなかったンで、久々に積読状態の本に手を伸ばしたのでありました。


まずは『図書館内乱』(有川浩)。
本の雑誌」が選ぶ2006年上半期エンターテインメント第1位に輝いた「図書館戦争」の第2弾である。


小さな頃からごくごく普通に近所の図書館を利用しているボクらだが、その図書館には


図書館の自由に関する宣言


なるモンが存在することをご存知だろうか?
そこにはこんな事が書かれている。

1.図書館は資料収集の自由を有する。
2.図書館は資料提供の自由を有する。
3.図書館は利用者の秘密を守る。
4.図書館は全ての不当な検閲に反対する。

図書館の自由が侵される時、我々は団結して、あくまで自由を守る。


3年くらい前に図書館に関する仕事をするまで、こんなことは知らなかった。
というか、自分が図書館に対してイメージしている物静かで、あまり俗世間の垢には塗れておらず、下世話なこととは異なる次元に存在しているものということからはかけ離れた、ずいぶんと勇敢なこの宣言に面食らった記憶がある。


この「図書館戦争」を第1弾とする図書館シリーズの最初のページはこの「図書館の自由に関する宣言」で幕を開ける。
舞台はメディア良化法の名の下に、検閲対象の本・雑誌を押収するメディア良化委員会・良化特務機関とこの宣言の下、全ての不当な検閲に反対し自由を守るために図書館に結成された図書隊・図書特殊部隊との出版の自由、閲覧の自由を巡る攻防を描いたエンターテインメント小説である。


設定が奇抜なだけにストーリーはライトノベル的ではあるが、図書館に勤務する人には思わずニヤリとしてしまうよぉ〜な図書館の内部事情が隠し味として効いている。
この第2巻である「図書館内乱」も第1巻と同様のテイストで話は進み、相変わらず良化委員会と図書特殊部隊の駆け引きにいつものキャラクターが絡んでくるのだが、今回は新しいキャラも加わり、ライトノベルチックな軽妙な会話中心の文体で心地よく読了させてもらった。


今回は「内乱」とあるように図書館内部の怪しい動きや、図書館という地方自治体に属している機関の位置づけをどうするべきかといった新たな組織論的な問いも投げかけられる(といってもフィクションなんで(笑))。
この流れが次の第3弾「図書館危機」で膨らんでいくんだろうなぁ〜。


若人でも読めるというか、ライトノベル的なヨウ素が多分にある小説だが、図書館という世界の裏側もちらっと覗ける図書館オタクには是非オススメの本である。


図書館内乱

図書館内乱




次は『クローズド・ノート』(雫井脩介)。
実はこの本、去年のちょうど今くらいの時期に一度読んだンだが、先日の本棚大整理の際に久々に目にして、もう一度読もうかな?と思ったのだ。
黄色い表紙には作者・題名の他に万年筆が書かれている。
そう、この物語の前半はとある文房具屋の万年筆コーナーが舞台となっているのだ。


1年前の今ごろは特に万年筆にも興味がなかったンで、普通の恋愛小説として読み飛ばしていたのだが、あれから1年文房具フェチが高じて万年筆にも興味を持ち始めた今となっては小説の中のアクセサリーとして登場する数々の万年筆たちにもスポットを当てつつ読み進めることとなった。
伊東屋書斎館等で万年筆の試し書きなんぞをする今となっては、小説の中で万年筆コーナーで接客する主人公とお客のやり取りなどがさらにリアルに感じられるようになった(笑)
万年筆好きな方は前半のやり取りの部分は結構ムフフかも知れない(笑)


あ゛っ!?かといってこれは万年筆小説というワケではない。万年筆はあくまでも主人公と主人公が密かに思いを寄せることとなる彼との出会いのためにアクセサリーに過ぎない。
この小説は主人公の部屋に置き忘れていった前の住人の書き綴るノートを軸に進んでいく。
このノートの持ち主とナニがナニで...まぁ、1/3も読み進めるとオチも読めてしまうが、わかっていながらなかなか気付かないこのもどかしさが募りに募って、最後にシトシトと泣かせてくれる。
そんな小説である。


嗚呼、でもボクも赤ワイン色のミニ・オプティマ欲しぃ〜なぁ〜〜(遠い目)


クローズド・ノート

クローズド・ノート