ペリスケ調子悪し...


14日に買ったペリカンM205デモンストレーター、通称ペリスケ。
購入後数日間はその透明なボディを眺めては、
「こんな、なにもかもさらけ出して恥ずかしくないのかぁ?人に見られてそんなのうれしぃ〜のか?...フッフッフッ。」
と不気味な笑顔でそのボディを舐め回すように楽しんでいたのだ。


だが、限定品であろうと所詮は廉価版の万年筆。
使ってこそその価値がある。
いつまでもこんな不健康な扱いをしていてはペリスケに申し訳ない。
しばらくして、ボトルインクをその透き通ったボディに吸入してみたのだ。


さてさてその書き味は...。
スル...ン? ス...ンン?? カスカス...ンンン???
インクの出がおかしい。
一文字二文字書いては擦れ、また一文字二文字...


これは不良品か?はたまた試し運転を続けないとちゃんとインクって出てこないものなのか?
なにせ、万年筆などLAMYのSafariくらいしか使った事ないこの身である。
ペリカンともなると小猫ちゃんを扱うようにそれを扱いこなす技術と時間が必要なのか?


ネットでM205の事を検索してもこんなインクの出が悪いなんて記事は見あたらない。
基本、性善説なボクである。
ペリカンが製造し、伊東屋で販売している万年筆に粗悪品があるわけがないっ!
ここはしばらく使い続けてこのジャジャ馬を乗りこなせばなるまいッ!
と勝手に思い込み...(^^;)ハハハ。


というワケで、この4、5日昼間は仕事で、夜は家でブログも更新せずにひたすらこのペリスケ文字を書き続けていたのだ。
そんな努力の甲斐もなく、いっこうによくなる気配の「ケ」すらない......(T^T)
今日になって、打ち合わせのメモをとっている途中さすがにあまりの出の悪さにキレそぉ〜になった。
全然、脳味噌と手先が直結しない。こんなんは筆記具の役割を果たしていないのだッ!!!


このままではペリカンの印象が日に日に悪くなっていってしまうので、会社の休み時間に抜け出して買い求めた銀座伊東屋に駆け込んだ。


M2の万年筆コーナーに直行し「すいませぇ〜ン。この万年筆14日にこちらで購入したんですけどインクの出がかなり悪いンですよねぇ〜」
すると、店員さんが「ちょっと拝見させていただけますか?」とボクのペリスケをてにとり紙に書きだす。
「これはかなり悪いですね?気持ちよくないですねぇ?」
そぉ!そぉ!!この4、5日ボクはとても眺めては愉快に、書いては不愉快にを繰り返していたのだ。
店員さんは拡大鏡ととり出してペン先をじろじろと見始めた。
「ペン先のヨリがかなりキツイですね。」
よぉ〜はペン先のスリットの部分が寄っていてそこでインク詰まりを起して素直にペン先までインクが流れていかないらしい。


おかしぃ〜なぁ〜。購入した時に試し書きしたと思うんだけど。そん時はちゃんと文字が書けていたよぉ〜な...。
でも、ボトルインクからペン先にインクを付けてもらったヤツで試したから、ペン先に十分インクが溜まってたんでカスカスにならなかったンだろぉ〜か?


試しにお店の同じEFニブのペリスケで試し書きしたら、ほんと素直にインクが出てくる。
こいつは気持ちがいぃ〜!いままでの気持ち悪さと比べようが無いくらいなのだが、これが万年筆として普通の姿なんだろぉ...(^^;)ハハハ。
店員さんは、「こちらとお取り換えでよろしいでしょうか?」と。
ボクは一も二もなく、「お願いしますm(__)m」


しかし、ここまでボクはこちらで購入したと言っただけで、それを証明するものはいっさい求められていない。
こんなんでいぃ〜のだろうか?領収書とか保証書とか求められると思ってたのに(実際そん時持ってませんでしたが(笑))。
そのまま、新しいペリスケを袋に入れていただいて、晴れてお持ち帰りしたのでありました。


なんか、お客さんのいうことを信用しているというか、なんてお行儀が良い接客なのか!と感心感心。
やはり、性善説に基づいたコミュニケーションは、変に世知辛くなくて幸せな気分になるのだっ!



ちなみに、家に帰ってさっそく新しいペリスケにインクを吸入してみたが、今度のはほんとスラスラと気持ちの良い書きっぷりである。
こんなんなら、もっと早く伊東屋に駆け込んでおくんだった...(^^;)ハハハ。