それでも下僕はリーダーを応援しますっ!

  
隣に座っている後輩は、デキるヤツなのだ。
同年代に比べて、仕事は素早く的確に、
昼は企画部門のエース、夜は大学院で学ぶスーパービジネスマンなのだ。
ルックスもイケメンではないが残念な顔立ちではない。


ただ、そんな彼の唯一にして最大の残念なところは......。
変態なのである。
不幸にも先天性エロ症候群という不治の難病に冒されているらしい。
その隣にボクが異動してきて、焚きつけるモンだから昼間から無法地帯であり、いまや我が担当は、担当ごといつセクハラ訴訟起こされても不思議でない状況だ。
ある日突然、うちの島が机ごとそっくり無くなっているかもしれない。


そんな、彼が最近会社に来るのが楽しくってしょうがないという。
なぜかといえば、隣の隣の担当に新しい派遣の娘がやってきたからだ。
早速、変態魂に火がついてストーカー寸前の観察を始めている(笑)
一週間彼女を観察して、昨日よぉ〜やく挨拶を交わせたらしい。


今日は朝からニヤニヤしながらメールを書いている。
「いやぁ〜周りに若い男いないから誘ってあげなきゃ失礼でしょぉ〜〜っ!!歓迎会しましょ!歓迎会!!」
たしかに、隣の隣の担当はヲヂ様ばかりで、そんな中に20代半ばの彼女1人では可哀想だ。
なんて、周りが勝手に思っていても、実際のところけっこう大事にされていて特に問題なく、大きなお世話な気がするが......。


というか、ちとまて!
わたくし、この担当に異動してきて一ヶ月経ちましたが、まだ歓迎会してもらってないのですが?
隣の隣の担当のうちらがワザワザ歓迎会してやるって??
そんなツッ込みいれても、我が道を行く変態には通じない。
そんな事よりもオモシロそぉ〜なので、事の成り行きを見守っていた。


暫く経ち...。
「あ゛ぁ〜〜〜ミスった。やっぱこういうのって日時指定しないとダメなんすよネェ〜」
......プププッ。どうやら体よく断られたようだ。
彼は「歓迎会をしたいのですが」とストレートに申し込んで、いつしたいとは書かなかったらしいのだが、日時の有る無しが問題では無いのでは?...(^^;)ハハハ。


彼女のお断りメールを見ると非常にご丁寧に歓迎会のお誘いに感謝しつつも、「あんたとお近づきになりたくないのよっ!」って感情を微塵も出さずに彼の気持ちを傷つけない言葉が連なっている(笑)
彼女、相当場数を踏んでおるな!
やっぱ、それなりに可愛い娘は社会人になって数年も経つとそれなりの処世術を身に付けているモンである。


しかし、こんなことで懲りたりはしないのが変態の変態たる所以である。
まだ、彼の戦いは始まったばかりだ。
となりで、焚きつけつつ優しい目で見守って行きたい。