自らの『ヘンタイ』性を第三者に正確に説明するのは以外と困難なのだ。  

 
先日の飲み会でのことをよくよく考えてみようと思う。

お酒にあまり興味がないうちのボスが珍しく飲みにいきたそぉ〜な感じだった。
こんなことは歓送迎会、忘年会以外には年に一度、あるかないかのことなので、急遽飲み会がセッティングされることになった。

まぁ、この一週間で入札の案件やら、提案書提出やら、今後の担当の営業戦略のレビューやら目白押しだったんで、全部ひと段落したところでちょうどいいかなというタイミングでもあったわけだ。

そんなこんなで、みんなの仕事がキリのいいところで月島もんじゃのお店に押しかけることと相成った。

うちの担当は基本的にひな壇芸人を集めているので、みな前へ前への押し出しが強いメンバーである。
なもんで、シラフの時でも普段からあまり上下関係に窮屈する様な職場環境でなく、ボクも日々下からの突き上げに怯えながら過ごしているのだが、これがお酒がはいるとさらに無礼講変数が加わりさらに上下関係、管理職と担当社員といった人事的なラインも希薄となり、あるがままの自由闊達ノビノビとしたひな壇芸人の潰し合いが始まるのである。


先日もボスとボクというNo.1、No.2が率先して鉄板でもんじゃ、焼きそば、お好み焼きを調理し、そんなひな壇芸人たちに振舞っていたのだが、下同士のいつもの潰し合いが一通り終わったところで、ボクにもお鉢が回ってきたのである...(^^;)ハハハ。

「○○さんて、絶対ヘンタイですよねぇ〜〜?(*@0@*)???。△△さんも○○さんには負けるって言ってましたもん!」

完全にアルコールの魔力に人間性を乗っ取られた残念な女の子と化した我が部下の矛先がボクに移ってきた。

ちなみに「△△さん」とは以前の職場でたいへん貴重な無駄な時間をともに過ごさせていただいた、「隣に鎮座ましまして在らせられた我が偉大なるリーダー」のことである。

ボクもTEAM Hの末席に置いていただいているTEAM H末端構成員なのでその自覚は十分にある。(TEAM HのHはリーダー曰く「ヘンタイ」のHなのだそぉ〜だ。)
しかし、そのレベルは△△さんこと隣に鎮座ましまして在らせられた我が偉大なるリーダーの奥深さには遠く及ばない。
我が人生のなかで戦う前から負けを認めざるを得なかった唯一の人物が△△さんこと隣に鎮座ましまして在らせられた我が偉大なるリーダーなのだ。

それくらいの自覚はあるものの、
この部下(残念な女子)がいう『ヘンタイ』とボク自信が自覚している【ヘンタイ】は同じものなのだろうか?
彼女が期待しているボクの返答における『ヘンタイ』の領域とはどこなのだろうか?
と一瞬考えてしまったことで、かえってボクは言葉を失ってしまったのである。


その時の彼女の問いは話の流れ的にも完全に下にベクトルが向かっていた。いわば直接的な性癖を前提とした『ヘンタイ』度合いを期待しているのである。
簡単にロリコンとか熟女マニアとか二次元オタクで済ませることもできたのだが、そこは△△さんこと隣に鎮座ましまして在らせられた我が偉大なるリーダーの元で厳しい禅問答の末に末端構成員に加えてもらったものとしては【ヘンタイ】としてのプライドがあるのだ。
そんな有り体なカテゴリーでステレオタイプ化された『ヘンタイ』呼ばわりされては△△さんこと隣に鎮座ましまして在らせられた我が偉大なるリーダーに会わす顔がない。

あえて、女性絡みの性癖に話を会わせるのであれば、今の相方さんと出会って以来もっぱら相方さんフェチである。いまだになにからなにまで愛おしくてたまらない!
とそんな返答をしてもただの奥さん想いに思われるか、引かれるだけで、笑いも起きず、かといって切れよく次の話題に移ることも困難と思われ...。
今思うとそれで返しておけばよかったよぉ〜なきもするのだが...(^^)ハハハ。


結局、その場はボクのことは置いておいて△△さんこと隣に鎮座ましまして在らせられた我が偉大なるリーダーがどれだけ真の【ヘンタイ】であるかを未開の地の原住民にキリストの教えを説く宣教師の如く話したのだが、相手はすでに酔っ払ってただの残念な女子と化していたんで、ピンとこなかったよぉ〜だ。



さて、かなり背景が長くなってしまったが、「ヘンタイ」とはなんなのだろうか?
20代女子が想像する範囲での『ヘンタイ』ということであれば、期待に添えず申し訳ないが、ボクは『ヘンタイ』ではないと思われる。
ボクには愛しき相方さんを妻に持つが、妻以外の女性との交渉を求めて、風俗に通ったり、素人さんに手を出したり、ストーキングしようと思うこともない。
ましてや性犯罪につながる様な募る想いを相方さん以外の女性に持つことがない。

では、フェティシズムにつながるよぉ〜な性癖はないか?と問われると、ある意味ボクはフェチであると言わざるを得ない面は確かにある。
ものに対する執着は他の人よりも明らかに強い。
文房具を初め、ガジェットにつながるよぉ〜なものの数々。
本の蒐集も含め、これらはボクにとっての蒐集欲、所有欲をみたしてくれる。
他人よりも顕著な嗜好としては活字中毒なのはまちがいない。
読書好きというよりも、文字さえ読めれば落ち着くという面もあるので完全に活字中毒である。

その面でのフェチという部分は確かにある。
相方さんへの萌えたぎる想いというのもこのフェチ的な一面も否めないであろう(笑)。

これが、記号としての女性の一部分、たとえば髪の毛とか下着とか、ハイヒールとかそういうものに対するフェティシズムということであれば、この残念な彼女が期待する『ヘンタイ』度合いに十分応えてあげられるンだろうが、申し訳ないことにそういう面でもボクにとってはあまり意味がないことである。


しかし、ボクはおそらく【ヘンタイ】であることは間違いないという自覚がある。
が、ボク自信が思う【ヘンタイ】行為ということが果たして、他人にとって意味ある、話のネタになるものなのかどうか?というと甚だ疑問なのだ。

これは△△さんこと隣に鎮座ましまして在らせられた我が偉大なるリーダーもわかっていただけるのではないだろうか?

ではボクのどこに【ヘンタイ】性があると自覚しているのかといえば、一言でいうと「妄想力」である。
小さい頃から文字を読んでは頭のなかで映像化して理解してきたボクは、見聞きすることを頭のなかで映像化してしてしまう癖がついている。
それがさらに昇華して、見聞きしたことのある特定の箇所が引っ掛かればそこから自由自在に妄想を広げることができるのだ。
頭の中では妄想力が途切れない限りあらゆる世界を垣間見ることができる。
特に文芸作品やSFを好むのは妄想の培養土として効果が高いからであろう。
文芸という世界では人の業をテーマとする傾向が国内の小説では多いし、SFはそもそも想像のなすがままの世界である。

そういう意味では件の彼女が期待している様な『ヘンタイ』っぷりも頭の中では可能なことの一つである。
それを実行しているか頭のなかで済ませているかの違いでしかない。
しかし、現実よりもさらに先の世界を妄想の力で観てしまっているボクとしては、一々現実の世界でダウングレードしたものを試す価値が見出せないのである。
だから、実行に移すということがまずない。
そんな時間があればさらに次なる妄想の世界に旅立つ方が幸せなのである。
ポジティブシンキングも極めると病気なのである。


そんなボクであっても△△さんこと隣に鎮座ましまして在らせられた我が偉大なるリーダーの妄想力には遠く及ばない。
彼こそ神の領域である......。


と、「ボクはこんな【ヘンタイ】です。」と彼女に説明したところで、とても期待に応えてあげられないような気がして、上司としての力量不足を感じ、ボクも管理職としてはまだまだだなと感じる師走の週末なのであった。