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Singing Road


我が家の前の道では夜な夜な歌いながら家路につく人が多く見受けられる。
なぜそんなことに気づくのかというと、ボクはホタル族なのだ。
喫煙家ではあるが、家の中ではたばこを吸えないのだ。
相方さんが煙草嫌いという点もあるが、家の中が煙草臭くなるというのもボク自身あまりよろしくないと思い、今のマンションに引っ越して以来、煙草はベランダで吸うようにしている。

夜ベランダで煙草の煙をくゆらしながら、やることもないので目の前を通り過ぎる人をウォッチしている。
うちのマンションが建っているブロックの裏側は広めの道なので車の往来があるが、ベランダのある表側の小道は幅もせまく路地に毛の生えた程度なので、犬の散歩道として、人の往来が結構あり、自転車や徒歩で近所であろう人たちの駅までの動線となっている。


そんな往来を眺めていると結構、鼻歌混じりやしっかりと歌を歌いながらボクの目の前を通り過ぎる人が多いのだ。
夜ともなるとベランダの屋根の影もあり、ボクの姿が相手には見えていないと思われ、誰もいないと思っているかのよう。

最初のうちは、みんな一日のストレスから解放されてついつい歌でも歌いたくなるのかとただ単に見ていただけなのだが、最近うちの前の道の環境が人に歌を歌わせる原因なのではないかと思うようになった。

というのも、その小道のちょうど家のマンションの前あたりから、対面にある保育園の中庭になっており、道を歩くと両脇に立ち並ぶ家やマンションの壁から、ひと時の開放感が味わえる。
さらに外灯もなく一瞬暗がりとなるところで、恥ずかしげもなく気が緩んでしまうのではないかと。

そんな暗がりでボクは一人ほくそ笑んでいるのだが......プププッ。