トイレを巡る男女の攻防


互いに惹かれあう男と女はデートという非日常を数回、数十回と重ねあう毎に互いの恋愛感情を高め合い、非日常での出会いに満足がいかなくなると非日常から日常へとその活動範囲を広げていくものである。


とある男女は同棲という仕組みへ移行し互いに互いの日常の範囲に入り込む。
またある男女は結婚という手続きを経て、一気に互いの人生という範囲にも足を踏み入れることとなる。


偉大なる先人たちの忠告、訓告、勧告があるにもかかわらず、非日常だけでは満たされない頭の中のピンク色の恋愛感情を満たしたいがために同棲、もしくは結婚生活という日常に不用意に足を踏み入れ、この段階に来て初めて男女は気づくのである。


非日常での妄想と日常での現実は異なるのだ!


ということを.........。




互いに異なる日常でのパターンを構築したヲトナ2人が、それぞれの生活様式を持ち込んだところで、決してうまくいくはずがない。
男女が同じ空間で暮らす場合には♂1+♀1=♂♀2ではなく、♂1+♀1=新たな1でなければならないことにいかに早く気付くか?
これが日常を共にする行為によって恋愛感情を深めていけるか、日常の前に恋愛感情が崩壊するかの鍵となる。




さて、男女が同じ空間で日常を共に過ごすことによって生じる様々な攻防の中でも、♂にとってのアイデンティティに直結する問題がここにある。


トイレ問題である。


男という生きモンは、生来立ちションを生来の特権として社会生活を営んできた生きモンである。
これが、昨今では社会生活どころか、社会清潔上首を傾げざるを得ないという評価が蔓延している。
家庭内のトイレの悪臭の原因の第一が男のシッコス後にプルプルした際に飛翔するシッコスの飛沫であるという......。

これが、乾燥しアンモニア臭をトイレにさらには家庭内に撒き散らすのだとまことしやかに言われている。


たしかに臭いものにはフタをしたいし、臭いよりも匂いが好きである。

ここで女性が論ずる主張は、
「シッコスするなら、座ってしていただけないでしょうか?」
である。



.........はぁ???である。
なぜ、シッコスするのにズボンもパンツも下に下げて、便座に座って垂らさなければならないのだ?
男子たるもの、ズボンを下ろすときはウンチョスの時だけである!と開国明治維新以来の決まり事である。

ボクには座ってシッコスの意味がわからない。



しかし、女性の論理は理路整然。論理的な反論の余地がない。
これは、非常にくだらない男のプライドだけの問題としか女性にはわからないだろう。
たしかに、男の側からの反論は感情的なものでしかない...困った...(^^;)ハハハ。


この問題を解決するには男女どちらかが屈するしか解は存在しないのか?
ちなみに、最近ではこの問題に対して新しいアプローチを提案する商品が現れている。

天使の膝枕」である。


これは、独身者の寂しさを紛らわす抱き枕や男の萌え心を刺激したうで枕やまさにひざ枕といった、眠りのための枕ではなく、トイレに設置するまさに「ひざ」のための枕である。
たしかに、アンモニア臭の原因がシッコスの飛沫であるならば、プルプルしても飛び散らないように便器の近くに膝間付けばいい。
これは発想の転換というよりも、むしろダイレクトな提案である。
これであれば、「座ってシッコス」という男のレーゾンデートルにもかかわるような暴挙を受け入れることなく、第三の案として取り入れられる余地がある。


しかし、問題なのはこの値段である。
まぁ、麗しき男女の恋愛感情の低下をもたらす問題をこの天使のひざ枕がリスク回避してくれるのであれば、この程度の出費は痛くも痒くもない!とも言えよぉ〜が.........。



果たして、我が家ではどぉ〜であろうか?
昨年、この部屋に引っ越してきて早々にこの問題が俎上にあがった。
その時にボクはどぉ〜対応したか?

もぉ〜感情だけの論理性無しの返しである...(^^;)ハハハ。
心豊かな相方さんの深い愛情に甘え、事なきを得ている。
でも、「シッコスが飛び散った時にはちゃんと拭いてください!」という条件付きである。
これは確かに相方さんの仰せの通りである。
汚しているのが自分であれば、ちゃんと拭くのが男としての礼儀である。


しかし、この点だけでも注意しだすとなかなかめんどくさい。
よほど、注意してシッコス後のプルプルをしないと、物理的に便器の中に飛沫が落ちないのである。
毎回、ドキドキしながらプルプルするのも気が気でない......。


そんな日々を1年過ごしてきた昨今、ここらでプルプルテクニックを磨くべきではないか?との野望がメラメラと湧き上がってきたのである。

便器の枠を前提で現状認識しているからその外に飛び散るというのであれば、便器の枠よりも狭い範囲で考えれば便器の枠内に飛沫は収まるのではないだろうか?
そう!便器よりもより狭い便座の枠内でのプルプルを習得するのであるっ!
この奥義さえ極めれば、立ちシッコスだろうがプルプルの飛沫を飛び散らすことなく、アンモニア臭に苛まれる事もなくなるのだっ!!
なおかつ、便座は常に下がっているポジションとなり、男女で便座を上げ下げする必要もなくなる!!!


まさに、男女の恋愛感情をさらに高めつつ、日常を共に過ごすための処方箋である。
便座内に収める道は遠いかもしれないが、男のアイデンティティの維持のためにここはストイックに日々精進背ねばっ!




なんてなことを、シッコス後にプルプルしながら考えてたゴールデンウィーク最終日の午後のひと時のトイレ模様なのでありました.........。