華麗なるドラマとそうでないドラマと...。


先日最終回を迎えた「華麗なる一族」。
その視聴率は関東圏の平均視聴率は30.4%(ビデオリサーチ)、関西圏の平均視聴率は39.3%(同)まであがったらしい。
驚くのは関西圏の最高視聴率で、44.9%をマークしたようだ。


ちなみにこのドラマ全話の平均視聴率は24.4%(同、関東圏)。
途中、この華麗なるキャスティングにしては視聴率が上がらないと揶揄する記事も出ていたが、映画とTVしか娯楽がない時代とは違う今の世の中で、これだけ連ドラで視聴率を稼げれば十分なのではないかと思う。
まぁ、キャストのギャラでコストが嵩み、プロジェクトとしての利益率は圧迫しているかもしれないが...(^^;)ハハハ。


方や、同じく話題性だけはあった「東京タワー」。
こちらも昨日最終回を迎えた。
まだ現時点で視聴率は出ていないようだが、どうだったンだろ?
にしても、最終回なのにも関わらず、時間延長がない月9というモンは悲しいのである。
なにはなくともこの「月9」という単語が普通に使われるようになって以来、他のドラマは見なくてもこの時間帯のドラマだけは常に見続けてきたボクである。
そのボクが、ついに今回の「東京タワー」は途中何回か見逃してもなんとも思わなかったのだ。
まぁ原作読んで、去年の11月に放送されたスペシャルドラマも観ているんで、話の内容はわかっているからというのもあるだろうが、それよりも今回の主人公役のもこみちを始め、今回のキャスティングになんの魅力も感じなかったのだ。


以前、このブログのエントリーでも書いたがスペシャルドラマの方は、原作の雰囲気と比べて不満もあったが、まだ大泉洋の演技が救いだった。
それが......もこみちの演技ってどぉ〜なんだろ?
華麗なる一族」でも「東京タワー」でも最終回に重要なドラマのキーパーソンが亡くなっている。
死んでから実の息子であった事を知った父親を演じた北大路欣也
息子の遺体が収まる棺桶に踞り、静謐な空気が流れる中で「静」なる演技で「慟哭」を表現した北大路欣也
ボクはそのハッキリした顔立ちがあまり好みでは無かったンで、北大路欣也の演技をちゃんと観た事なかったが、このシーンでの彼の演技には震えが来た。
自らの男のプライドを守るために息子を死に追いやった父親が、実は木村拓哉演じる鉄平が自分の息子であることを死後に知った時、そこには慟哭しかないはずだ。
それをありきたりの「動」の演技をせずに、ひっそりと棺桶の中の息子に囁きかける程度の音量で心の叫びをひと言で表現する。その背中は明らかに慟哭していた。


こんな演技を観てしまった翌日にもこみちである。
母親が死を迎えたクライマックスのところで、泣けない俳優ってなんなのだろうか?
涙を流せなくとも、表情くらいはと思うばかりだがその表情すらその辺の子役以下の泣き顔である......。
これで、「東京タワー」は終わったと思った。
本がベストセラーになって一稼ぎし、その後はスペシャルドラマでもう一山。
勢いに乗って話題性のあるキャスティングで月9枠で大衆にさらにアピールし、最後の映画で「東京タワー」という作品の骨の髄まで絞り取る。
骨の髄まで絞り取った残りかすでドラマ・映画のDVDを販売して、残りカスすら金に変える。
このフジサンケイグループ総掛かりの原作しゃぶりまくり大作戦はすでに原作の「東京タワー」とは別の次元で展開してしまっている。


今回、能力もないのに話題性だけで主役にされてしまったもこみちはある意味犠牲者なのかも知れない。



ところで、隣に鎮座ましまして在らせられた我が偉大なるリーダー、「東京タワー」ちゃんと返してもらえました?...プププッ