カクテルインクはその場で手作りなのだッ!


ボクにとっては新種のウィルス、インク病にここ2週間ほど罹患している......。


きっかけは、モンブランボルドーだった。
それまで、カートリッジで使用していたLAMY Safariのスケルトンにコンバーターを取り付けて、あの独特の形状のモンブランのインクボトルからコンバーターでインクを吸い上げる様を見て......萌えてしまったのだ。
なんか、今までにない感情が芽生えてしまったのである。


ペン先をできるだけインクまみれにならないように神経を使いながら吸い上げる。
そんなキレイにしておきたいならカートリッジを使えばいいものだが、その一手間、二手間かけるという行為が、まるでうちの同居猫を愛でるときのような感情を万年筆に芽生えさせるのである......(^^;)ハハハ。
ここで止まれば普通に万年筆フェチの入り口で済んだのだろうが、万年筆とインクのコラボレーションにまで病状が進むには2日とかからなかった。
この病気はかなり、進行が早い。


先週末、うちで相方さんに呆れられながら「趣味の文具箱Vol.3」を眺めていると「ブルーインク全104色最新カタログ」という特集に目が留まった。
一口にブルーインクといっても、各社さまざまな「青色」を表現している。
ここに乗っているだけでも104色もあるのだ。
普通に青色のイメージのものもあれば、緑との中間色も様々なものがある。


そぉ〜いえば、ペリカンのM205デモンストレータは全身スケスケなことだし、ここは発色良さげなインクを入れてみたいなぁ〜といつの間にか、マジに物色をし始めたボクである。
青系、くすんだ青系、緑系はパーカーやドクター・ヤンセンのインクがあるので、明るい系の中間色に絞り込んだ。



お目当ては、伊東屋のカクテルインクのブルー・ラグーンとちょいと不思議なムーン・シャワーだ。
カクテルインクは伊東屋の丸の内店で取り扱ってるという。
行ったことないのでNETで調べると国際ビル1Fということらしい。
なんだ、有楽町からすぐではないか!


銀座の本店より行きやすいので、平日の休み時間に伊東屋丸の内店に出撃した。
有楽町線有楽町駅から国際ビル出口の階段を登って、徒歩1分弱である。
銀座の本店と違い1フロアの一部だけの売り場であり、かなり小じんまりと感じる。
奥の万年筆コーナーに行き、「カクテルインクが欲しいのですが?」
と店員さんに尋ねると、色見本を見せてくれてその中から希望の色をチョイスする。
ちなみに、色見本はこんな感じ。



予め決めていたブルー・ラグーンとムーン・シャワー。それに色見本を見ていて気になってしまったアラウンド・ザ・ワールドをお願いした。
すると店員さんは空き瓶とカードのようなものを棚から出してきて、カウンター横のなにやらタンクのようなところに出向いていく......。
何が始まるのだっ!?


最初に言っておくと、カクテルインクとはボトルに入っているモンではなく、その場で調合して作るのだ!
カウンター横には10本(?だったかな?)のミニタンクみたいなものが並んでおり、色事に作成されたレシピを見ながら、店員さんがオーダーされた色に合わせていくつかのミニタンクの液体を調合してインクボトルに入れていく。
調合が終わるとカウンターに戻り、今度は素のインクボトルにラベルを張り、ガラスペンで中のインクの試し書きをして、色合いができていれば蓋をして、インクボトルケースに入れて完成となる。


なんか、インクができる工程を間近に見られて、社会科見学のようなワクワクした気分でその作業を見ていた。
こゆのってなんか得した気分なのだ。
この手造り感がまたなんとも愛おしい...(微笑)
この伊東屋丸の内店ならではの醍醐味である。



さてさて、そんな不気味な微笑に包まれながら持ち帰ってきたカクテルインクだが、
こんなパッケージに包まれている。

丸い筒がなんとも愛らしいカクテルインクなのであった。


今回購入した三色は、ブルー・ラグーン


ムーン・シャワー


アラウンド・ザ・ワールド


色合いはこんな感じ。


ちょっと想定外だったのは、アラウンド・ザ・ワールド
家にある万年筆はEFばかりだったんで、LAMY SafariのEFで書いたのだが、色が薄めの上に線が細いので文字を書くには薄すぎる......(T^T)
お店で試し書きを見たときはあまり感じなかったのだが、そのときは線が太かったからなのだろうか?
アラウンド・ザ・ワールドを使用するときは太目のニブのほぉ〜がいいかもしんない。



さてさて、先日無事にというか新しいのと取り替えてもらったペリスケさん。
さっそく、カクテルインクを試してみよぉ!というワケで、不思議に落ち着いた色合いのムーン・シャワーを入れて昨日一日使用したのだが......。


最初のうちは快調のよぉ〜に思えたが、しばらくするとまたスカスカカスカス感が......。
う゛っそっ!?またダメなの???
と絶望感に打ちひしがれよぉ〜としていたところ、ペリカン純正のロイヤルブルーに替えてみたら、スラスラとした書き味でなんのストレスもなく書けた...(^^;)ハハハ。
よかった、またペン先の問題ではないのか......と一安心。


ちなみにSafariで3色試したところ、どれもスラスラと書ける。
やっぱ、万年筆とインクにも相性というものがあるのだなぁ〜と。



しかし、ほとんどペリスケのボディーにたゆたうインクの色合いを楽しむために購入したのに......。
なんか、このじゃじゃ馬は手間がかかるのである。
でもそれがまた、愛おしいのもたしかなのである...(^^;)ハハハ×∞