窮鼠猫を噛みたいっ!

 
本日も微熱少年.........かれこれ一週間こんな状況だ。
やはり、あの喫煙室は問題なのである。



たまに、10月までいた隣のビルの喫煙室にいくとシミジミと落ち着く。
窓からは東に向かい山河無き江東区の町並み。目を凝らすと薄っすらと筑波山まで見渡せる。
この喫煙室にはソファーもあり、ゆったりと腰を落ち着かせる事が出来る。
いままで、このスペースで何度アイデアの神様がご光臨召されてきたであろうことか......。


ボクは机に向かってコツコツと仕事をするタイプではない。
机に向かっているときは脳内からアウトプットを吐き出すときであり、すでに仕事のほとんどはボクの中では済んでいる状態だ。
考えなければならないときは、机の前に黙って座っていてもなにも思い浮かばないのである。
大抵、関係部署の人と話をしていたり、仕事繋がりの無い人と四方山話をしていたり、誰もいない所で哀愁を漂わせていたりする時に、フト閃いたりする。
ボクにとっては、会社の喫煙室というのはなくてはならないスペースだったのだ......。


がっ!?11月の異動に伴い、隣に建った新しいビルに引っ越してみると......。
世の禁煙・嫌煙ファシズムへの配慮であろうか、このビルの喫煙コーナーはまるで鰻の寝床。
10人も入ればちょっとした通勤ラッシュ30分前くらいの混み様なのだ。
自分の煙草を吸わなくても、喫煙室に充満する煙を口をパクパク吸っているだけで、十分煙草を吸っている感覚に陥る事が可能なほどである。


ちなみに、ボクのフロアの間取りはこんな感じ。
問題の喫煙コーナーはビルのコア部に作られている。オレンジ色の部分が喫煙室となる。
となりのビルと違い、窓などという風情を感じられるものは無く、密閉された箱である。



特にこのフロアは開発部隊が1/2フロアを占めているので喫煙者もかなり多い。
この担当がこのビルに引っ越してくる前のビルでは、喫煙室1つ分の広さは少なくとも今の2倍。
さらにその喫煙室も2箇所存在したのだ。
ということは、現在は以前のビルの1/4のスペースに喫煙者は集約されていることになる。


.........なるほど、眼鏡でもかけていないとタバコ1本吸いきらずして、目が痛くなってくるわけだ。
先日、つい興が乗ってここで20分程度議論をしているうちに、ボクのノドのリンパ腺が悲鳴を上げ、先週末からすっかり微熱少年状態が続いている.........。
こんな劣悪な環境を改善して!ぷりぃ〜ず!!と心の叫びを聞き取っていただくこともなく、禁煙・嫌煙枢軸は次なる侵略を開始したのだ。


オレンジ色の喫煙室と薄緑の禁煙室の間にはドアが設けられている。それぞれ一方の部屋しか廊下に面していないため、禁煙室側のフロアの人は禁煙室から入って、間のドアを開けて喫煙室で煙草を吸うことになる。
すでに、禁煙・嫌煙枢軸国の支配下にある他の階ではこの両部屋間を行き来できないように間のドアが閉鎖されている。
まさに、アーリア人に有らずんば人にあらず!といわんばかりに喫煙者の人権は踏み躙られているのである......嗚呼。


そんな他の階の惨状に胸を打たれつつ、つかの間の享楽に煙を燻らせていた我がフロアにも、したたかにそして着実に禁煙・嫌煙枢軸国の侵略の魔の手が忍び寄っていたのである.........嗚呼×2。


それは実に静かに秘密裏に実行に移された......。
先週の出来事である。
いつものように禁煙室に入りそこから喫煙室に入って煙草の煙を燻らせつつ雑談で沸き立っていたところ、一人の同士が煙草を吸い終わり、禁煙室に向かうドアを開けようとしたら......ドアの向う側にいけない!?
鍵がついていないドアにもかかわらず......。
よくよく見ると禁煙室側のテーブルがガッシリとドアのところに設置され、禁煙室側に通行できないようになっていたのだ。


喫煙室の同士たちの目に触れず、それはあっという間の出来事だった。恐るべし禁煙・嫌煙枢軸。
きっと彼の国で訓練を重ねた秘密部隊の仕業に違いない。ナチスドイツの親衛隊バリの的確さだ。


この突然の暴挙に閉じこめられた(といっても通路側のドアはあいているのだが(笑))我が同士たちの動揺は隠しきれず、ついにこのフロアも枢軸国の占領下に成り下がるのか.........と絶望感に打ち拉がれようとしていたところ...............。
ひとりの勇者が現れた。


彼は飄々とした体で通路側のドアから喫煙室に入り、喧々諤々している我が同士たちの間をすり抜け問題の間のドアの前に立ち、渾身の力で邪魔をしているテーブルをこじ開け、希望の光り眩い(といっても、実際には自販機の灯だが...)あちら側の世界への通路を確保したのだ。
彼はそのまま禁煙室を通り抜け、トイレに行ったのだとか、自分の事務室に帰ったのだとか、喧しい我が同士たちの推測も虚しくその後の消息は依然として知れない...。


彼の前に道は無く、彼の後ろに道は出来る。


その後、この聖なる38度線、はたまたヨルダン川西岸とも言うべき極東の小さな島国の帝都の片隅のどぉ〜でもいいビルの一角のドアの扱いを巡り封鎖と開放の地味ぃ〜な紛争が続いている。
ボクたちは伝説の勇者の行動を範とし、禁煙・嫌煙枢軸国の暴挙に日々立ち向かっているのである。


嗚呼......こんなことでは落ち着いて仕事なんかできやしない。